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フェンネル氏の奇妙な生活

気付いた世界の中の小さな出来事と水彩画と時たま油絵と思いついたことを爺さんが一人語りいたします。

got older

2018-06-23 07:41:31 | Weblog

大場冨生さんの詩に「雨だれの音も歳をとった」The sound of falling rain ,also got olderというのがあって「振り返らない道を急ぐ」Hurrying along the road,not looking backと続くのだが今朝はその雨だれの音を聞いている。若い人には若く聞こえる音も年老いたものには年老いて聞こえるのだろう。そしたら風景もまたしかりか。とエネルギッシュな街、ナッシュビルの街角を描こうと下描きをしてたらこの詩を思い出した。テネシー州の州都ナッシュビル。カントリーミュージックの聖地。古き良きアメリカ。近くにはエルヴィスの生地メンフィスもある。きらびやかなネオンに包まれて一日中音楽が聞こえてくる街角。でもそこには若さではなく年老いた何かがある。そう思って水をたっぷりとつけた大きな筆でビルの上の空を塗る。雨だれのように街角に水滴が垂れていって街が黄昏れていく。got olderと呟きながらイエローキャブに黄色を乗せる。「僕はいつもノスタルジーを描いているのかな」とこの頃思う。いや、ノスタルジーというよりは、通りすがりに過ぎていくものだろう。亡くなった人をふと思い出す時もあるけれど僕も振り返らない道を急ぐ旅人なのかもしれない。

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