「ブラックスワン 降臨」

2012-01-12 | 海外出張
ブラック・スワン降臨―9・11‐3・11インテリジェンス十年戦争
クリエーター情報なし
新潮社


久しぶりに自分ではどうしようもないことに怒りを感じた、そんな本です。
日本がどれだけ国際社会から取り残されているかは、政治を見ていれば明白です。あたりまえといえばあたりまえなのですが、我々も日々の生活、税金に年金、物価のことばかり気にしており、政治も将来のためではなく、「次の選挙で勝つためのご機嫌取り」しかしていません。
いつのまにか中国が堂々と「尖閣諸島を領土」と主張し、北方領土にはロシアの指導者が訪問する有様。日本はまったく世界から舐められっぱなしなわけです。

先日、某テレビの討論会での話し。日本の大学生と日本に留学しているアジア諸国出身の大学生が討論をする番組でした。
独島に領土問題など存在しない、あれは韓国の領土で、一体何を日本が言ってるのかわからない、と、主張する韓国人学生に対して、
「領土問題のある島などは相手国に渡し、その他の問題を話しあって平和的に解決・・」などとテレビで堂々と語っている日本の大学生を見て、怖くなりました。
小学校の優等生的な発言ですが、あれは国家的な犯罪行為ではないかな、とも思ってしまいました。いくら自由に発言できても、一学生とはいえ、あんな程度の見識でテレビに出てくるとは・・・ 日本という国はどうなってしまうんでしょうかね。。

話しが逸れました。
この本、いかに世界的な情報戦争(本ではインテリジェンスという言葉を使用)から日本が遅れているか、また、あまりの無知からその世界から外されているか・・ということを事実を元に書かれています。
普天間の問題など、日米同盟の意味など真剣に考えたことがありませんでしたが、そのあたりもふっと腑に落ちる説明がされています。

「日米安保体制とは、非対称的な同盟関係だと説明される」 日本が他国に攻撃された際、アメリカに守ってもらう・・と漠然と考えていますが、要は、アメリカの国民であり、親兄弟、家族もいるアメリカの軍人さんが、命を賭して日本を守る、ということです。その見返りはなんなの? という観点で考えれば、物事は違って見えてきます。

自分の考えていることがあまりにも小さくて恥ずかしくなるような、そんな本です。


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