映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

SHORT PEACE

2013年08月05日 | 映画(さ行)
これぞ、ジャパニーズスピリッツ



* * * * * * * * * *


私はこの日、本作と「風立ちぬ」、アニメ2本立てでした。
こちらは日本アニメの巨匠が結集したという感じで、
「日本」をテーマとしたアニメ短編オムニバス。
オープニングアニメ+4本。
どれも見応えがありました。
・・・やはりこんなふうにオーバーな前宣伝がない方が、素直に心に入っていきます。
まあ、それにしても、「風立ちぬ」と比べるとあまりにも人の入りが少ない。
作品の善し悪しと観客動員数は全く連動しない(!!)ですね。


「九十九」脚本・監督:森田周平
深い山中で、雨に振られ道に迷った男が、
雨宿りのために古びた祠で雨宿りをします。
すると、捨てられた傘やら着物やらの、もののけが出没。
古い道具は100年経つと心を持つという・・・。
捨てられた古い道具たちが、人に襲い掛かろうとする、迫力の一作です。
この男、剛気で無骨なのだけれど、手先は器用。
いい感じです。
 
 

「火要鎮」(ひのようじん)脚本・監督:大友克洋
のぞまぬ縁談を持ちかけられたお若。
実は幼なじみの松吉に思いを寄せています。
火消しの松吉への募る想いが高じて・・・、
ある夜、恐ろしい事件が起こります。
日本画を見るような画面割。
のどかな「静」から終盤一気に「動」へと変化していく様が見事。
八百屋お七とか、振袖火事などという江戸の物語を思い起こします。
町を燃やし尽くす業火。
それを引き起こした女の思いの深さ、悲しさ・・・。
知らず、涙がこぼれていました。
ものすごく力のある作品です。
  


「GAMBO」監督:安藤裕章
鬼を対峙する白い熊、ガンボの話。
ホッキョクグマじゃありませんよ。
白い色をしたヒグマ(?)。
その正体はわからないままなれど、
長いストーリーの一部を切り取ったというふうの今作は、そこが又面白い。
  


「武器よさらば」監督:大友克洋
他の3編は、みな江戸時代等、いにしえの日本が舞台ですが、
本作だけは近未来。
廃墟と化した東京が舞台です。
プロテクションスーツをまとった小隊が、ある任務を帯びてやってくる。
そこで無人兵器との戦闘が繰り広げられるが・・・。
男性が好きそうな作品です。
メカなど全くニガテな私ですが、ディテールのしっかりした装甲車やスーツ。
さすがにかっこいいなあと思いました!! 
ちょっと意外なラストもナイス。
  


日本のアニメはまだまだ大丈夫。
そしてジブリばかりがアニメじゃないよ・・・と。

「SHORT PEACE」
2013年/日本/68分
監督:大友克洋、森田修平、安藤裕章、カトキハジメ、森本晃司

「日本」度★★★★★
バラエティ★★★★★
満足度★★★★★


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