映画と本の『たんぽぽ館』

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蜘蛛の巣を払う女

2019年06月20日 | 映画(か行)

姉妹の確執

* * * * * * * * * *


「ドラゴン・タトゥーの女」に続くシリーズ。
メインスタッフとキャストは一新。
「天才ハッカーで背中にドラゴンのタトゥーがある暗い過去を持つ女」
というくくりさえあればなんでもあり、という感じですが、
この設定がいかにも今様で面白いのです。

バルデル教授が図らずも開発してしまった核攻撃プログラム。
リスベット(クレア・フォイ)は、教授からそのプログラムを
アメリカ国家安全保障局(NAS)から取り戻してほしいという依頼を受けます。
リスベットがその任務を進めるうちに、16年前別れた双子の妹、
カミラ(シルビア・フークス)の存在が浮かび上がります。
カミラの仕掛けた罠にはまっていくリスベット・・・。

リスベットは前回のストーリーのあと、「闇の仕事人」のような仕事をしていたようです。
男性に虐げられた女性たちを救うような・・・。
これもまた一つ一つ作品にすれば面白いのに、とも思いますが。



リスベットが今のような境遇にあるのは、少女時代の父親に原因がある。
闇の帝王的存在の父親は、娘たちを自分のものとして支配下に取り込もうとするのですが、
リスベットは断固拒否して命がけで父親の元を逃げ出したのです。
しかし妹カミラは逃げることができなかった・・・。
父親から本当は愛されたかったリスベット、
逃げ出したかったのに置いていかれたカミラ、
そんな姉妹の葛藤や愛憎が背景となったストーリー。



ではありますが、実はそのへんの表現が少し物足りなかったかも、という気はしました。
しかし、いかにもスウェーデンという白く凍てついた世界。
黒ずくめの服装をしたリスベット。
真紅のコートを着たカミラ。
こうしたコントラストがスタイリッシュです。

クレア・フォイのリスベットは、大きな瞳がいつも潤んでいるようで、
何かと戦っているというよりも、なにかから逃げているという感じがします。
まあ、それも悪くはありません。

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クレア・フォイ,スヴェリル・グドナソン,レイキース・スタンフィールド,シルヴィア・フークス,スティーヴン・マーチャント
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



<J-COMオンデマンドにて>
「蜘蛛の巣を払う女」
2018年/イギリス・ドイツ・スウェーデン・カナダ・アメリカ/115分
監督:フェデ・アルバレス
出演:クレア・フォイ、スベリル・クドナソン、ラキース・スタンフィールド、シルビア・フークス、スティーブン・マーチャント
スタイリッシュ度★★★★☆
満足度★★★☆☆



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