映画と本の『たんぽぽ館』

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アンダードッグ 後篇

2022年05月03日 | 映画(あ行)

それぞれの事情に寄り添い、圧巻

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さて、後篇。
今度は大村龍太(北村匠海)と末永晃(森山未來)の話がメインになります。
前回登場し燃焼し尽くした宮木瞬(勝地涼)は、その後芸能界を引退したと語られるのみ。

 

前作までは前途有望な新人ボクサーとして描かれていた龍太。
しかしその過去にやや問題があった。
児童施設で育った龍太は思春期に生活が荒れ、裏組織で暴れ回る。
派手な入れ墨はその時にしたものなのでしょう。
試合の時はシートを貼って、見えないようにしています。
今は妻もいて、ボクシング中心に回る生活は安定しています。
でも、過去の行動が結局自分を苦しめることになってしまう・・・。

末永は宮木との試合の件で世間からはあきれられてれ、
自身ももうこれが止め時なのだろうと納得しはじめます。
しかし妻からは離婚届を突きつけられ、
いよいよボクシングどころか人生の目標も見失ってしまう・・・。

 

そんな二人ですが、実は末永も忘れていた意外な接点が過去にあったことが明かされます。
大村がヤケになれなれしく末永に絡んでくる理由も分かりました。

そしてついにラストはこの二人の対戦シーン。
これはもう、どっちに味方しようもないのです。
どっちにも感情移入してしまっていますから。
でも、双方精一杯力を尽くしてボロボロになりながらも試合を続けます。
途中からテーマソングが流れて、片方が急に調子が出てパンチが決まり始めたりはしない。
実に地道で力強く、その描写も迫力に満ちています。
心が熱くなります。

殴り合いながらも心が通じている感じがする・・・。

全体には前後篇で長いのですが、それは3人の事情を一人一人しっかり描いているから。
とても見応えのある作品でした。

<WOWOW視聴にて>

「アンダードッグ 後編」

2020年/日本/145分

監督:武正晴

原作・脚本:足立紳

出演:森山未來、北村匠海、勝地涼、瀧内公美、水川あさみ、柄本明、風間杜夫

 

人生の行き詰まり度★★★★☆

再生度★★★★☆

満足度★★★★☆

 



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