映画と本の『たんぽぽ館』

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「タイタニックの最後の晩餐」リック・アーチボルト&ダナ・マッコリー

2018年01月06日 | 本(解説)
海の藻屑と消えたディナー

タイタニックの最後の晩餐―豪華航路のディナーとレシピ
Rick Archbold,Dana McCauley,梶浦 さとり
国書刊行会


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1912年4月15日、処女航海の海に消えた豪華客船タイタニック号。
20世紀史上に残る伝説的客船の魅力は今もなお消えず、
時と悲劇の記憶を超えて、私たちに夢と憧れを与えつづけている。
海に浮かぶ宮殿と謳われた最高の客船で供された、
贅を尽くした最高の食事
―残されたメニューが伝える夢のような最後の晩餐とはどんなものだったのか?
一等から三等まで、オリジナルのメニューをもとに再現された、
幻のレシピがいま明かされる。
タイタニックの「食」の魅力を、多数の貴重な図版とともに封じ込めた究極の一冊。
今宵、あなたの食卓に華麗なタイタニック・ディナーが甦る。

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タイタニックは、やはりあの映画「タイタニック」の印象が強烈なので、
この本にもつい目を引かれました。
いつも行く「ちえりあ」の図書コーナーでディスプレイしてあったのです。
本自体は1999年に発行されたものなのですが。


この本は、タイタニック号で出された食事に注目し、
その残された記録や生き残った方の証言などをもとにして、
レシピが再現されています。
一等から三等とありますが、
更にその上、超セレブのためのスペシャル料理もあったのですね。


ちなみにそのスペシャルディナー

鶉卵のゼリー寄せ、キャビア添え(アスピークで固めた鶉卵とキャビア)

ポタージュ・サンジェルマン風(新鮮なグリーンピースのスープ)

オマール海老のテルミドール(オマール海老のテルミドール、マッシュポテト添え)

トゥールヌドの編笠茸添え(キャベツの蒸し煮にのせた牛フィレ肉のソテー編笠茸添え)

パンチ・ロゼ(バラ水とミントのシャーベット)

鶉の桜桃ソース(うずらのチェリーソース)

春アスパラガスのオランディーヌソース

フルーツサラダ マセドワヌ風(新鮮なフルーツサラダ)

オレンジのシュルプリーズ

そのレシピまでも丁寧に記載されているのですが、
とても真似する気にもなりません。
船上にありながら、並みのホテルよりも一層豪華な内容だったようです。
というのもこの豪華客船、この時が処女航海。
通常よりも一層注目を浴び、セレブの中のセレブこそが乗船していたのでしょうね・・・。
痛ましいことです。


でも私にとってウレシイのは、こんな豪華な食事だけではなくて、
2等、3等のメニューもちゃんと載っていたところです。
3等になるとさすがにその内容は質素。
映画「タイタニック」で、一等のディナーに招かれたジャックが、
どうしていいのやらわからなかった、というのも納得です。
メニューのいちいちに目を通しはしなかったのですが、
タイタニック号の食堂や当時の人々の様子などが図版で示されているので、
眺めているだけでも楽しい本です。

図書館蔵書にて
「タイタニックの最後の晩餐」リック・アーチボルト&ダナ・マッコリー 国書刊行会
満足度★★★.5


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