映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

大停電の夜に

2018年01月07日 | 映画(た行)
蝋燭の光の下でなら、素直になれる・・・



* * * * * * * * * *

クリスマスに見るべき作品ですが、ちょっとタイミングがずれてしまいました。


クリスマス・イブの夕方、突然の停電に見舞われた首都圏。
自殺しようとする女性と少年。
死期の迫った父と息子。
不倫をしている上司と部下。
別れた恋人を待つバーのマスター・・・
この大停電の夜の人々の群像劇です。


始めはそれぞれ独立してバラバラな人々が、
どこかつながりを見せてくるのも面白いところ。
この手の作品の代表としては「ラブ・アクチュアリー」が、ありますが、
邦画でここまで楽しめれば上出来という気がします。
変に甘すぎず、やや大人向けかな?



そういえば、それぞれの「恋の関係」は、
殆どがあるべきところに落ち着いていたような・・・。
壊れかけた夫婦は、元の鞘に戻り、
昔別れた人と再会した人は、心を交わすけれども結局やり直すことにはならない・・・。
結局は足元の生活を見直す、
今の生活もこれまで積み上げてきた大切なものであることを再認識する・・・
という意味で、これはクリスマスらしい物語なのかもしれません。


電気がない都会で、キャンドルショップのろうそくの炎が、
なんとも優しく輝き始めます。
通常の電気の光がまばゆい夜なら話せなかった心の真実を、
この蝋燭の光の下なら何故か話せてしまう。
そんな貴重な魔法の一夜。


私はやはりトヨエツの、バーのマスターのエピソードが一番好きでした。

大停電の夜に [DVD]
豊川悦司,田口トモロヲ,原田知世,吉川晃司,寺島しのぶ
角川エンタテインメント


<WOWOW視聴にて>

「大停電の夜に」
2005年/日本/132分
監督:源孝志
出演:豊川悦司、田口トモロヲ、原田知世、吉川晃司、寺島しのぶ、井川遥
魔法の夜度★★★★☆
満足度★★★★☆


最新の画像もっと見る

コメントを投稿