映画と本の『たんぽぽ館』

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五億円のじんせい

2024年06月22日 | 映画(か行)

五億円稼ぐには・・・?

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GYAOとアミューズによるオリジナル映画作成プロジェクト
「NEW CINEMA PROJECT」第1回グランプリを受賞した企画の映画化。

高月望来(みらい)(望月歩)は、幼少期に難病を患っていましたが、
善意の5億円の募金で手術が成功し、その後健康に成長。
現在は17歳の高校生です。
しかし「5億円にふさわしい人間」であることを、周囲の人々に期待され、
マスコミには好奇の目で見られるので、彼自身はその重圧で押しつぶされそうなのです。

こんな窮屈な日々から逃れたくて、望来はSNSで自殺を宣言したのですが、
見知らぬアカウントから「死ぬなら5億円返してから死ね」とのメッセージがあります。
望来は家を飛び出し、5億円の借金を返して自由になるための旅を始めます。

 

わかるなあ、その気持ち、と思ってしまいました。

5億円の募金を得て海外で心臓移植手術を受けることができて、
そしてその後健康になって成長。
世間はさぞかし立派な人間になってくれるのだろうと、勝手に期待してしまいますよね。
でも健康でこれまで成長したことこそが実は見返り。
それがすべて。
それなのに・・・。
実際は特別に頭が良いわけでもなく、特に取り柄もない。
周囲の勝手な期待に、どう答えれば良いのか・・・。
イヤそもそも期待に添う義務などないのでは・・・。
いよいよ進学先を決めなければならない時期になって、焦りまくってしまう・・・。

まさにありがちな状況で、設定としてもナイスだと思いました。

そこで望来は家出をして、とにかく5億円を稼ごうと思うのです。
しかし、5億円・・・。

時給1000円で一日8時間働くとして、
なんと171年もかかる計算になってしまいます・・・!

工事現場の日雇いをやってはみたけれど、ひ弱な体でぜんぜん役に立たない。
それでも根性で少しは働けるようになったけれど、
こんなことをしていても5億円にはほど遠い・・・。
というわけで次第に仕事はダークな方向へと向かっていくのです。

しかしそんな中でも少し優しくしてくれる人と出会ったりもして、
世間知らずのボウヤの望来はたくましく成長していきます。

心地よい成長物語でした。
人と人との絆の大事さも言っています。

<Amazonプライムビデオにて>

「五億円のじんせい」

2019年/日本/112分

監督:文 晟豪

脚本:蛭田直美

出演:望月歩、山田杏奈、森岡龍、松尾諭、平田満、西田尚美

生きにくさ★★★★☆

稼ぎにくさ★★★★☆

満足度★★★★☆



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