映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

イタリアは呼んでいる

2015年07月04日 | 映画(あ行)
雰囲気だけは味わいました



* * * * * * * * * *

イタリアの5つ星ホテルや絶景レストランの取材のため、
イタリア縦断の旅をするイギリス中年男性二人組のロード・ムービー。



スティーブ・クーガンとロブ・ブライドンがそのまま、
スティーブとロブという役名で登場します。
二人はひたすらにイタリアを走り、
豪華なホテルに宿泊しワインを飲みイタリアンに舌鼓を打つ。
特に大きな事件が起こるわけでもなし。
ではどこが見どころかといえば、
もちろん、イタリアの絶景と空腹で見たら死にそうな美味しそうなメニューなのですが、
それはあくまでもバックグラウンドミュージックで、
メインは二人の会話。



二人の会話はほとんど映画談義で、
それがモノマネで語られるという・・・。
バカを言ってはしゃぐ無邪気なオジサンたち。
いやいや、これがいいんですよね。
なんというか、若い頃よりも気持ちにゆとりがあって、
浮世を忘れてまさに“旅”です。
こんなオジサンたちと一緒に
こんな旅ができたらさぞかし楽しかろう、と思います。

  

さてしかし、私達日本人がこの二人の会話を楽しもうとするとちょっと厳しい。
アル・パチーノにマーロン・ブランド。
そりゃ知らなくはないですが、
これがそっくりと思えるほどに見込んではいないしなあ・・・。
私には唯一ヒュー・グラントが、「ははあ、なるほど」と思えたくらい。
これを心底楽しめるのは余程の映画通でしょう。
しかし、これを自慢気に「実に面白かった」などという人には
あまり近寄りたくない気がする・・・。



というわけで、まあ、楽しい雰囲気だけは味わいました。
頭蓋骨がびっしり並ぶカタコンベや
火山の噴火で全滅したポンペイの遺跡など、
陰気な気分になりそうな光景も、
この二人にかかるとなんだか楽しく思えてしまうからふしぎ。


「イタリアは呼んでいる」
2014年/イギリス/108分
監督・脚本:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーブ・クーガン、ロブ・ブライドン、ロージー・フェルナー、クレア・キーラン、マルタ・バリオ
イタリア観光度★★★★★
満足度★★★☆☆


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