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インド旅行記 最終日~アグラ世界遺産観光

2008年05月23日 05時31分27秒 | インド タイガーサファリ
 朝の5時にアグラに着くと、やはり駅は無料宿泊施設になっていて、朝早くから客引きが山ほどいる。こちらはツアー客なので、こういうのにかかずらわる必要がない。
 一旦、ホテルに行き、シャワーを浴びる。
 タージマハールは日の出の時刻に赤く染まる瞬間が一番美しいのだそうで、それに合せてでかけることになった。

 飛行機並みの大変厳しいチェックを潜り抜け、構内に入る。次第に明るさが増してくる。広大な構内をゆるりと見物しながら、正面の門に向かう。これがすでにして巨大である。そしてついにタージマハールの姿を見た。世界で最も美しい建造物だと言われているだけのことはある。白亜の巨大な建造物は、ムガール帝国の時代、日本で言うと江戸時代なので案外新しい。

 日が昇ってきて、鳥が飛び、周辺を赤く染めていく。なるほどタージマハールもうっすらと赤く染まってくる。人類が作り出した最高の作品の1つなんだろう。
 どうも定番フォトスポットがいくつかあるらしく、構内には観光客を案内して案内料をせしめようというやからがうろついている。一日あたり、どれくらいの観光客が来るのかわからないが、これだけの観光地ならコバンザメ商法も案外儲かるのかもしれない。

 世界史の教科書に必ず載っている図を撮影して、だんだん本体に近づいている。真っ白で高級な大理石でできていて、周辺に象嵌細工がほどこされている。象嵌に使う石は世界各国から集められ、インド中の優秀な石工や彫刻家、建築家が動員されたのだそうだ。大胆にして繊細、巨大にして優美である。

 なかには、廟がありお后様が安置されている。本当の廟は地下にあるのだそうだ。この室内は撮影禁止になっているが、極めて繊細な細工がなされていて、感嘆する。
 タージマハールの庭の芝はウシを使って刈っている。この芝生には入ってはいけないのだが牛飼いのおじちゃんは物欲しそうに眺める観光客を呼び寄せて、ウシとタージマハールを入れた写真を撮らせて、チップをせしめている。なかなかうまい商売だ。日本だったら、当然、職務怠慢になってしまうんだろうが、そのあたりはおおらかである。

 次に向かったのがアグラフォート。巨大な城塞だ。日本では姫路城が世界遺産に指定されていて、こちらも極めて優美なお城ではあるが、規模の面から言うとまるっきり相手にならない。

 赤い石造りの城塞の中にお姫様の建物、裁判所などが立ち並んでいる。遠くにタージマハルも見えている。アカゲザルもたくさん住んでいる。

 それぞれの建物は、それぞれ特徴的な装飾が施されている。極めて幾何学的な部屋もあり、女性向けの大理石の部屋もあり、巨大な裁判所のスペースもある。芝生の庭があると思ったらクロケットをするためのスペースなのだそうだ。

 世界史や建築をやっている人はいろいろな知識もあって楽しめるんだろうが、私たちはただ印象をとらえることしかできない。それなりに感動もするものの、旅を本当に満喫するためには教養が必要だということを実感する。

 続いて、大理石細工のお店に連れて行かれる。ツアー会社とおみやげ物会社が結託しているのはどこの国でも同じである。高くて買えないので、華麗にスルーすることに……。
 さらにJama Masjidだったと思うが、そんな名前のお墓にいった。これもムガール帝国時代の遺構だ。詳しいことはよくわからない。庭にハヌマンラングールやアンテロープ類なのかシカの仲間なのかのような動物がいた。

 さて、そろそろこの旅も終わりだ。
 車でデリーに向かう。途中で食事をして、デリーに入り、空港まで送ってもらう。デリー市内は混んでいて、案外時間がかかった。
 チェックイン、出国審査をして、例によって2時間待ち。10億人の人口を抱える国の首都の空港とは思えないショボイ施設だ。暇を持て余すがやることもなく、やっと搭乗の時間となる。さらに9時間ちょっとのフライト。途中で、一瞬、香港によって関空に帰りついた。

 インドはどうもすごいエネルギーを発散しているのだが、なかなかそれにはついていけず相当に厳しい旅行となった。しかし、これだけのエネルギーをもってこれからのし上ってくる国である。また10年後くらいに、どう変化したのかを見に行ってみたい気がする。

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3 コメント

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Unknown (kumazzzo)
2008-05-27 01:57:26
インドの旅行は、どうやら、玉野さんの期待と反して、
気候が日本人にとって厳しかったりして、
なかなか大変な旅行だったようですね。
でも、昔からインドの魅力に取り付かれて、
放浪する人達が多いことから、
自然にしても人間にしても、
日本人の想像を越えるエネルギーを秘めてるのでしょうね。

玉野さん、またボルネオ行きたくなっている頃ではないですか~??
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コメントありがとうございます。 (玉野)
2008-05-27 02:33:36
それでも、インドはあまりにも日本的な生き方とは異なっているコトは間違いなく、いろいろ考えるところ多いですよ。
買い物1つから定価販売などはなく全部交渉しなければならないし、仏教、ヒンズー教、イスラム教、シーク教などなどあらゆる宗教が混在し、世界有数の大富豪がいる一方で駅で寝泊りする人たちが駅には入りきらないほどいる社会。そんな社会にあっても人々は前向きに発展を信じていたりします。

あの国の人たちと勝負して、日本人が有利な点はなんだろうと考えたり…。これから自動車業界ですら、インド中国のマーケットでどう利益を出していくのかということにぶちあたるわけです。
一方で、お互いに傷つけないようにするということを金科玉条に掲げて、空気を読みあって生きている日本人。バイタリティの問題で、完敗じゃないかという気がします。

インドには大学生とかの若い世代の人は行ってみるべきだと思いますよ。あのなんだか圧倒的なエネルギーは、すごいです。年いってからいくと、当てられて帰ってきちゃいますけどね。
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ちなみに… (玉野)
2008-05-27 02:36:29
今年はボルネオからセレベス海を渡って、ウォーレス線を踏み越えて、スラウェシ島に行こうかと思ってます。
アジア区とオーストラリア区の境目にあって、クスクスのような有袋類もいれば、アジア系のマカク属のサルや世界最小の霊長類であるスラウェシメガネザル(タルシウス)もいるんですよ。
植生もかなりちがうみたいだし、海の中もヘンテコな生き物がいっぱいいるみたいだし、ちょいとのぞいてこようかなと。

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