MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ビール・ストリートの恋人たち』

2019-03-23 00:56:57 | goo映画レビュー

原題:『If Beale Street Could Talk』
監督:バリー・ジェンキンス
脚本:バリー・ジェンキンス
撮影:ジェームズ・ラクストン
出演:キキ・レイン/ステファン・ジェームズ/コールマン・ドミンゴ/セヨナ・パリス/レジーナ・キング
2018年/アメリカ

「白人」には理解できない「芸術」について

 19歳のクレメンタイン・”ティッシュ”・リヴァーズと22歳のアロンゾ・”ファニー”・ハントは交際していたのであるが、ファニーが冤罪で逮捕され、さらにティッシュの妊娠が発覚してから生活が一変してしまう。
 本来ならばお互いの家族が協力して助け合っていくべきなのだが、ファニーの母親と2人の姉妹たちは妊娠したティッシュに対して容赦ない言葉を浴びせて、仲違いしてしまう。
 ティッシュの母親のシャロンは被害者で事件後にプエルトリコに帰国してしまったヴィクトリア・ロジャースに会って本当のことを言って欲しいと頼むのだが、ヴィクトリアは断るのである。登場人物たちが気がついているのかどうか定かではないのだが、事件前にファニーは白人警官と小競り合いをしているのだから、これはその白人警官による罠であり、ヴィクトリアはそれなりのお金を受け取って帰国してしまったのだから、本当のことなど言うはずがないのである。原題「ビール・ストリートが話せれば」という願望にはそのような想いが込められている。
 ファニーが作っているものは本人に言わせればいわゆる「芸術」ではないものらしく、正直何を作っているのかよく分からなかったのだが、それは「白人」には理解できないものを目指しているのかもしれない。


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