『ミス・ポター』 80点

ミス・ポター

2006年／アメリカ＝イギリス

ネタバレ

主役は誰？

総合 80点

ストーリー 0点

キャスト 0点

演出 0点

ビジュアル 0点

音楽 0点

　例えばこの作品を、当時イギリスの上流階級の女性が職業を持てなかった時代に自ら描いた絵を本にすることで自立できた主人公の物語とか、あるいはお互いに惹かれあった男女が身分を越えて結婚しようとした矢先に男性が死んでしまったという悲恋の物語として観てしまうと感動が薄れてしまうような気がする。
　観て分かるようにこの作品に於いてはポターはすぐに自分の描いた絵を本にすることが出来たし、婚約者は呆気なく死んでしまう。これは脚本が雑というよりも、それらの点はこの作品では重視しないということだ。本格的にポターの実話を忠実に描くのならば映画でなくてもテレビドラマで十分なのだから。
　この作品の‘主役’と言えるのは実はポターではなくこの作品の最初から最後まで映し出される大自然であり、その自然の中で暮らしているポターが描くピーター・ラビットをはじめとする動物たちなのだ。この作品をテレビドラマではなく映画にしたのは大画面で観るからこそ大自然が生き生きと見えるからであり、実は避暑地を田舎に持つ上流階級というものは下流階級である農民たちが守る大自然の上に成り立っていることがよく分かるようにするためなのである。
　「Let me teach you how to dance」は名曲。

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