マチェーテ
2010年/アメリカ
不完全な‘B級映画’
総合
50点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
私はいまだに‘B級映画’というものが具体的にどのような種類の作品を指すものなのかよく分らないのであるが、もしもこの『マチェーテ』という作品が‘B級映画’であるとすれば、まずはこの程度の作品であるならば監督は1人で十分であるはずなのだが、わざわざロバート・ロドリゲスとイーサン・マニキスという2人の監督の名前がクレジットされていること自体をB級とみなすべきであろう。
過去の作品のパロディやオマージュに関してならば特別問題は見当たらないとしても、基本的な物語自体に難があることを見逃すことはできない。まさか‘B級映画’ということで何でも見逃される訳でもあるまい。
主人公で元メキシコ連邦捜査官のマチェーテが目の前で彼の妻が麻薬王のトーレスに斬首されたことから‘生ける屍’と化してしまったことは理解できるとしても、エイプリル・ブースが殺された父親のマイケル・ブースの仇をとるために尼僧を装ってマクローリン上院議員を銃撃するように、ラストでマチェーテがトーレスと対峙する時に、何故マチェーテが殺された妻子を思い出し復讐の鬼と化すこともなく、トーレス自らに切腹をさせるままにしているのか理解に苦しむ。‘B級映画’の基本となるはずの‘復讐譚’の構築に失敗しているために、観客のカタルシスは消化不良の憂き目を見ることになる。失敗の理由は、アメリカに対してマイノリティーである‘メキシコ軍団の叛乱’というテーマを優先させたために、‘同族’であるトーレスとの‘内輪揉め’を避けて、トーレスに潔い死に方をさせたからだと思う。
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