MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ミッシング』

2024-05-22 00:59:45 | goo映画レビュー

原題:『ミッシング』
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
撮影:志田貴之
出演:石原さとみ/中村倫也/青木崇高/森優作/有田麗未/小野花梨/細川岳/山本直寛/柳優憂怜/美保純
2024年/日本

SNSとの相性について

 本作の問題提起は「スキャンダル」とSNSとの相性だと思う。例えば、主人公の森下沙織里は6歳の娘の美羽を弟の圭吾にあずけて好きなアイドルのライブに行っていた2021年10月に美羽が行方不明になってしまい、ネット上で育児放棄などと誹謗中傷を受けることになってしまう。静岡テレビの砂田が中心となってニュース番組などで情報を求めるものの2022年3月になっても美羽の行方は分からないどころか、美羽が見つかったというようなイタズラ電話で夫の豊と共に夫婦は蒲郡まで遠出をしたり警察署に向かったりと翻弄させられる有様である。そしてどれほど誠実に取材をしようとも成果を挙げられなければ砂田の仕事は評価されないのである。
 砂田と対照的なのが、地元の市長の隠し子のスキャンダルを手に入れた砂田の後輩の駒井である。砂田と違って駒井の場合は市長が叩かれるためにSNSは駒井に味方するため、駒井は大きな成果を挙げてキー局へ栄転することになるのである。
 しかし例えSNSが無かったとしても「情報」というものは取っ散らかりがちで、例えば、覗き見の誤解を受けた弟の土居圭吾を警察署まで迎えに行った沙織里が車で一緒に帰っている途中でラジオから沙織里の好きなアイドルの曲が流れてきたりするものなのである。
 それにしても気になるのが沙織里が来ているTシャツの文字で、最初は「Everything will be fine.(全てはどうにかなる)」というものだったが、途中から「Let It Be Better With A Feeling.(感情のなすがままに)」に変わっているのはもちろん監督の意図が反映されていると思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/tokyosports/entertainment/tokyosports-303091


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