原題:『Midsommar』
監督:アリ・アリスター
脚本:アリ・アリスター
撮影:パヴェウ・ポゴジェルスキ
出演:エローラ・トルキア/ウィル・ポールター/アーチー・マデクウェ/ジャック・レイナー
2019年/アメリカ
グリム童話の「原点」について
アリ・アリスター監督の前作『ヘレディタリー/継承』(2018年)は本作と同じカルト集団を扱っているものの、最後のオチがあやふやでいまいち意味が分からなかったのだが、その点本作は改善されているように見える。
それは主人公でアメリカの大学の博士課程に在学しているダニー・アルドールが家族内のトラブルに悩まされている時には比較的画面が暗いが、彼女がボーイフレンドのクリスチャン・ヒューズや友人と一緒に行ったスウェーデンが舞台になったとたんに画面がポップで明るくなった一方で描写は残酷になり、それは絵本内で殺戮が起こるというような対照性が際立つからである。
エンディング曲のザ・ウォーカー・ブラザーズの「ザ・サン・エイント・ゴナ・シャイン・エニモアー」を和訳しておきたい。ダニーの立場と歌詞の内容が不気味にリンクしているところが秀逸。
「The Sun Ain't Gonna Shine Anymore」 The Walker Brothers 日本語訳
孤独とは君が纏っている仮面
群青の影がいつもそこにある
もう太陽が輝くことはない
空に月が上ることもない
君が愛と無縁の時には
いつも涙が君の瞳を覆っている
空虚こそが君の居場所
負けることはなくなったがもはや勝つこともない
もう太陽が輝くことはない
空に月が上ることもない
君が愛と無縁の時には
いつも涙が君の瞳を覆っている
君がいなければ寂しい
僕には君が必要なんだ
このままではやっていけないよ
もう太陽が輝くことはない
空に月が上ることもない
君が愛と無縁の時には
もう太陽が輝くことはなく
いつも涙が君の瞳を覆っている
もう太陽が輝くことはない
The Walker Brothers - The Sun Ain't Gonna Shine Anymore! (1966) 4K