(2020年3月3日付毎日新聞朝刊)
安倍首相は2月29日の記者会見で「かかりつけ医など身近にいるお医者さんが必要であると考える場合にはすべての患者のみなさんがPCR検査を受ける十分な検査能力を確保いたします。」と語っていたが、3日の参院予算委員会で共産党の小池晃書記局長から「一定の制約をすることは当然だというふうに思いますけれども、総理はね、昨日こう言ったんですよ。『かかりつけ医が必要と考える場合にはすべての患者がPCR検査を受けることができる』と。」、「あのね、今はできませんって総理は一言も言ってなかったんですよ。かかりつけ医であればどこでもできるようになるんだと。『かかりつけ医が必要と考える場合にはすべての患者がPCR検査を受けることができる』とおっしゃったんですよ。こういうの独り歩きするんです。おそらく多くの国民は保険適用されればどこでも検査受けられるんだろうなと、いうふうに思われたと思いますよ。実は違うわけじゃないですか。11万の内843か所しかできないわけですよ。しかも接触者外来をやっている病院は公開されていませんから。国民からみればどこでやっているか分からないわけですよ。(中略)国民に対してもっと正しい情報を伝えるべきではないだろうか。やっぱりきちんと総理の言葉で、私が言ったことはこういうことなんですと言ってください。」と語ったことに対して安倍首相は「私はですね、今すぐそれができると申し上げてはいないわけでございまして、(後略)」と応じ、小池が「現時点では本当にごく一部の843ですからそういう医療機関だけでやりますということをはっきり言ってください。」と念を押すと「現時点とですね、私はこれからそれを目指していくことを混同させたわけではまったくないわけでございまして、私の会見等を見ていただければ、そういう誤解は生じないと思うわけでございます。(後略)」と答えている。
この後、小池が「言葉が足りないと思う」と言うと安倍首相は「今そうだというふうに私はまったく言っていないわけでありまして」と言い訳し、いろいろやりとりがあった末に安倍首相は小池が「誤読をしている」と開き直るのである。安倍首相の発言は「自分は完璧にやっている風」を装い、精確性を追求されると「誤読」だと言うために、おそらく「忖度」できない多くの国民は不安を持ち、何度十分な量を確保していると喧伝してもトイレットペーパーが店頭から無くなってしまう原因は安倍首相が信用されていないからではないだろうか?
安倍内閣総理大臣記者会見
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