MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ハスラーズ』

2020-03-12 00:10:40 | goo映画レビュー

原題:『Hustlers』
監督:ローリーン・スカファリア
脚本:ローリーン・スカファリア
撮影:トッド・バンハザル
出演:コンスタンス・ウー/ジェニファー・ロペス/カーディ・B/キキ・パーマー
2019年/アメリカ

「職種」を巡る問題について

 「職種」は正反対なのだが、本作は『バッドボーイズ フォー・ライフ』(アディル・エル・アルビ/ビラル・ファラー監督 2020年)と同じ問題を孕んでいる。それは主人公の一人であるデスティニーには幼い娘がいるシングルマザーであるのに対して、相棒のラモーナ・ヴェガには家族がいないということである。
 当初は2人で上手く仕事をしていたが、2008年のリーマンショックによる景気の悪化により、客の男たちの金払いも悪化したことで、テンションを挙げると同時に財布を緩める「潤滑油」としてケタミンとMDMAを6:4で配合したクスリを客のグラスに入れるようになる。
 「仕事」が順調になるに従ってラモーナは新しい顧客の開拓のみならず、新しい仲間も引き入れてしまうのだが、現状維持を望んでいるデスティニーは不満が残り、最後はデスティニーの裏切りでラモーナ、アナベル、メルセデスは有罪の判決を受けてしまう。ラストでラモーナが若い頃のデスティニーの写真を持っていることからもラモーナが自分たちが若い頃を忘れられず、そこが娘がいて自分が大人にならなければならないデスティニーとの間に大きな溝を作ってしまっていると思うのである。
 この作品が日本人にとって理解を難しくしている点は、ストリッパーという職業がいまいちピンとこないことにあると思う。それは外国人が芸者という職業がいまいち理解できないことと共通していると思う。タイトルの「ハスラー」には詐欺師という意味の他に売春婦という意味もあるのだが。


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