原題:『Noah』
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ダーレン・アロノフスキー/アリ・ハンデル
撮影:マシュー・リバティーク
出演:ラッセル・クロウ/ジェニファー・コネリー/レイ・ウィンストン/エマ・ワトソン
2014年/アメリカ
共感できない主人公の存在意義について
食糧難で人が人を食べているような時代に主人公のノアがデブであることが許せないという身もふたもないことは敢えて言わずにおきたい。次男のハムと三男のヤフェトの嫁探しに居留地を歩きまわるものの、カニバリズムを目撃してしまい、すっかり嫌気がさしたノアが堕落した人間そのものを否定しだし、幸運にも方舟に乗り込めたトバル・カインとどちらが本物の悪なのか分からなくなるストーリー展開はなかなか考えさせられ、一人で思いつめて狂信化してしまったノアの極限状態を描き出したことは評価されるべきであろう。