MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『MONSTERZ モンスターズ』

2014-06-06 22:08:40 | goo映画レビュー

原題:『MONSTERZ モンスターズ』
監督:中田秀夫
脚本:渡辺雄介
撮影:林淳一郎
出演:藤原竜也/山田孝之/石原さとみ
2014年/日本

 「モンスター」と知性の相性について

 視界に入っている人間を意のままに操る能力を持つ主人公の男は、ある日、自身の能力が通じない男を見つける。その男、田中終一は幼い頃に交通事故に遭い、弟を救えずに自分だけが生き残ったことをいまだに悔やんでいた。
 2人の過去は必要最小限にしか描かれておらず、物語に深みは感じられない。だから例えば、終一によって転落死を免れた男が超能力が使えないように覆面を被せられて無理やり生かされることになり、ラストで見せる終一の笑顔が、そのような結末を意図して助けたのか、あるいは弟は救えなかったけれども男は助けることができたという単純な自己満足のためなのかはっきりしないのであるが、後者の理由である方が「MONSTERZ」の「Z」に、より皮肉が加わると思う。


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「女の人が泣いています」

2014-06-06 00:08:56 | 美術

 現在、森美術館では「ゴー・ビトゥイーンズ展 : こどもを通して見る世界」が催されている。

上の作品は言わずと知れたパブロ・ピカソの『泣く女(The Weeping Woman)』(1937年)

であるが、この作品は展示されていない。代わりにこの作品を観ている9人の子供たちが

感想を言い合っている、リネカ・ダイクストラ(Rineke Dijkstra)の「女の人が泣いています

(泣く女) I See a Woman Crying (Weeping Woman)」(2009年)という12分の

ビデオ・インスタレーションが流れている。『泣く女』を見ている子供たちの顔がだんだん

泣きそうになってくる様子が面白いのであるが、絵というものは描き込むと色彩だけでなく、

描かれている対象が持つ雰囲気も暗くなってくるということが分かる。


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