原題:『Bad Teacher』
監督:ジェイク・カスダン
脚本:ジーン・スタプニツキー/リー・アイゼンバーグ
撮影:アラー・キヴィロ
出演:キャメロン・ディアス/ジャスティン・ティンバーレイク/ジェイソン・シーゲル
2011年/アメリカ
「バッド」に徹しきれないティーチャーについて
主人公のエリザベス・ハルジーは玉の輿に乗ろうと必死すぎるあまり、結婚に至らないままで、「寿退社」とはならず、嫌々ながら中学教師を続けることになるのであるが、自ら『落ちこぼれの天使たち』(ラモン・メネンデス監督 1987年)、『アラバマ物語』(ロバート・マリガン監督 1962年)、ジョージ・オーウェルの『動物農場』などを教材に取り上げるところを見ると、頭が悪いわけではない。
第16代アメリカ合衆国大統領のエイブラハム・リンカーンを装った人物を登場させ、「正直者エイブ」として「思ったことを堂々と言う」というメッセージを残し、そのような態度はエリザベスと被り、ラストにおいてエリザベスが学生指導を担うという逆転のオチは悪くはなく、途中に挟まれる下ネタのギャグも炸裂していると思うのであるが、お金にしか興味がなかったエリザベスがどうしてお金持ちのスコット・デラコートからしがない体育教師のラッセル・ゲティスに心変わりしたのかその理由が明確にならないためにストーリーがぼやけてしまっている。