MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『サンタ・サングレ 聖なる血』 100点

2012-05-19 21:18:19 | goo映画レビュー

サンタ・サングレ 聖なる血

1989年/イタリア

ネタバレ

コンプレックスを巡る真贋問題

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 『エル・トポ』(1970年)と『ホーリー・マウンテン』(1973年)を続けて観た後で、アレハンドロ・ホドロフスキー監督の本作を観るならば、『ホーリー・マウンテン』における、一見するとメインテーマの‘回避’のような真意が分かる。例えば、作品冒頭で主人公のフェニックスの母親で、ある兄弟によって両腕を切断された少女のリリオを崇拝するカルト宗教の教祖でもあるコンチャがカトリック教会の高位聖職者と、ブルドーザーで壊されようとしている教会内の中央に設置されているプール内の赤い液体を巡る口論は、その液体が本物の血液かただの赤い絵の具かというものであり、‘造形’を巡る『ホーリー・マウンテン』の主題と重なり、その後、観客は血が出てくるたびに‘本物’なのか‘贋物’なのか悩むことになるのだが、やがて両腕を夫のオルゴによって切断されたコンチャの招きで病院施設を抜け出し、片腕ならぬ母親の‘両腕’として劇場で活動することになるフェニックスは『エル・トポ』で扱われていたメインテーマであるマザーコンプレックスをなぞることになり、フェニックスに近づいてくる女性を次々と‘母親の両腕’が凶器で殺害する。フェニックスは‘母親の両腕’に勝てそうな女性プロレスラーを家に招くのであるが、やはり殺されてしまう。最終的には幼なじみのアルマの‘白い’顔とコンチャの‘赤い’服の対決の末にコンチャが‘贋物’の人形であることが明らかにされ、フェニックスのマザーコンプレックスが解消されることになる。
 少女のリリオは日本の女子学生の制服を着用しており、日本のオタク文化の早期の受容が見受けられることも興味深いが、『エル・トポ』、『ホーリー・マウンテン』、『サンタ・サングレ』という流れの中で、マザーコンプレックスの克服が図られるという誰も予想もしないストーリー展開にはただ脱帽するしかない。


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西村博之の曖昧な立場

2012-05-19 00:09:23 | Weblog

「2ちゃんねる」違法情報放置、ひろゆき氏反論 依頼2通「削除済み」(産経新聞) - goo ニュース

インターネット掲示板「2ちゃんねる」の開設者の西村博之が「警察からの削除依頼は2通で、

削除している」などと、ブログに反論をしていることに驚いた。西村は“元管理人”とされて

いるからで、しかし警察から依頼された書き込みを削除できるということは“元管理人”では

なくて立派な現役の管理人である。「インターネット・ホットラインセンター」(IHC)の削除要請

計5068件を放置したことに関しては、「財団法人が情報を違法と決めることは出来ません」

としている。それはその通りであろうが、その財団法人が指摘した書き込みを精査して

違法と“立派な現役の管理人”が判断すれば削除すればいいだけのことではないのか

いずれにしても「2ちゃんねる」に対する西村の立場が曖昧なのだがプライドだけは高そうだ。


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