ベレジーナ
1999年/スイス=ドイツ=オーストリア
べレジーナを巡るスイスとロシア
総合 70点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
基本的にコメディではあるのだが、意図的にストーリーの時系列を混乱させており、例えば、作品の冒頭で主人公でロシア人の高級娼婦であるイリーナが彼女の客であった元陸軍少尉シュトゥルツェネガーに突然‘銃殺’されたりするために、観客の関心が2人の関係に集中してしまい、正確な‘サスペンス’という意味では成功しているものの、スイスの経済弁護士ヴァルト博士とファッション・デザイナーのシャルロッテ・デーとイリーナとの怪しい関係に、ロシアに残してきたイリーナの大家族や「べレジーナの物語」やスイスの政財界のマネーロンダリングなどが絡み合ってくると素直にストーリーが頭に入ってこなくなる。
べレジーナとは、1812年に、ロシア帝国が大陸封鎖令を守らないことを理由にフランス帝国のナポレオン1世がロシア帝国に侵攻したものの、ロシアの焦土作戦に加え、マレー将軍がフランスでクーデターを起こしたことを知ったナポレオンが退却するためにドニエプル川の支流ベレジナ川でポンツーン橋の仮設を命じたが、橋を渡り終えていなかったフランス軍部隊がロシア軍部隊に襲撃され多くの犠牲者を出した、「ベレジナ渡河作戦」を指し、大陸軍に加わっていたスイス軍隊がロシア軍の進攻を決死の覚悟で阻止しようとした際の心情が歌われている。
朝鮮人参で自殺し損なったイリーナが元陸軍少尉の帽子の裏側に書かれている、‘どんでん返し’につながるコブラ団の電話番号を見つけるという展開にはかなり無理を感じるが、主人公に歌を歌わせるなど皮肉の効いたいつものシュミット監督の演出は健在で、要するに1812年のロシア戦役を忘れたかのように、かつて敵だったロシア人をスイスの新しい国であるヘルベチア王国の王にしてしまうというオチなのである。キューバ人の高級娼婦ならばどうなるのかは想像もつかないが、歴史に疎い私などは出来れば時系列通りに描いてもらいたかったと思う。ちなみにヘルベチア王国は本作を公認している。
原子力の人材ピンチ…志願減、就職説明会参加も(読売新聞) - goo ニュース
東京工業大大学院生の、「事故で問われたのは電力会社や国の規制のあり方で、日本の
原子力技術が地に落ちたということはない。国は原子力の研究や技術開発に安心して取り
組める環境を整備してほしい」という訴えは理解できなくはないのだが、もはや原子力技術
そのものの必要性が疑問視されている上に、確かに必要だとしても、それは今存在する
原子力発電所を滞りなく終了させるという、いわば“敗戦処理”という役割しか担えないので
あるのならば、それでもやりがいがあると思う特異な人を引き止めはしないが、そのような夢
の無い仕事を敢えて若者が引き受ける意義は見出せないと思う。