バーバー吉野
2003年/日本
強すぎる髪のこだわりについて
総合 60点
ストーリー 0点
キャスト 0点
演出 0点
ビジュアル 0点
音楽 0点
以前、荻上直子監督作品である『トイレット』(2010年)を観賞した時に抱いた感じと逆の印象を、荻上監督の長編デビュー作である『バーバー吉野』から受けた。『トイレット』においては「トイレット」というタイトルでありながら、意外とトイレに対するこだわりの弱いところが脚本全体を緩くしてしまっている要因だと思ったのであるが、『バーバー吉野』においては「バーバー」というタイトルではあっても髪に対するこだわりが強すぎると思うのである。
とある田舎町の小学生たちが‘吉野刈り’というマッシュルーム・カットにさせられている理由は、同じ髪型にしていれば例え‘天狗’に他所の町へさらわれても、自分たちの町の子供であることが一目で分かるからという昔からの伝統によるものである。
それを当たり前と思っている子供たちはマッシュルーム・カットに違和感を抱いていなかったのであるが、東京から坂上という転校生が来たことをきっかけに、女の子にもてたい子供たちはダサい‘吉野刈り’に異を唱え出し、吉野慶太を含めた5人は祭りの日に、それぞれの色に染めた髪を立ててみんなの前に現れる。
翌日、5人はバーバー吉野の吉野良子によってバリカンで髪を切られるのであるが、坊主になった5人の姿が映し出されない理由は、坊主にしてしまうと‘天狗’に誘拐されて他所に連れていかれても自分の町の子供であることが分からなくなるからである。つまり髪の毛を失った場合を想定していない髪型の伝統そのものに瑕疵があり、荻上監督はそのことに当然気がついていたから、子供たちの坊主姿を映し出さなかった(出せなかった?)のである。脚本が甘いと判断せざるを得ない。
「発達障害は親の愛情不足」 維新の会の条例案に批判(朝日新聞) - goo ニュース
大阪維新の会の大阪市議団に何人所属しているのか寡聞にして知らないのだが、誰も
「発達障害は愛情不足が要因」ではなく「脳の機能的な障害である」事に気がつかなかった
ことに驚くのであるが、仮に「発達障害、虐待等の予防・防止」に関し、「乳幼児期の愛着形成
の不足が軽度発達障害またはそれに似た症状を誘発する大きな要因」だとしても、そうで
あるならばどれほどの“愛情”をどのように子供にそそげば発達障害を防ぐことができると
大阪維新の会の大阪市議団に所属する議員たちは想定していたのであろうか 問題は
昨年6月に施行された、学校行事での国歌斉唱時に教職員が起立するよう義務付けた
大阪府条例でも見られるように、尊敬や愛情を権力でコントロールできると過信している
大阪維新の会の基本的な誤解に端を発しているのである。