隣の市が主催している歌声サロンに参加した。
最後に先生がみんなの前で歌を歌うということになった。
「坂本九と中島みゆきをどちらか一曲、どちらがいいですか」と先生が会場のみんなに問いかけた。
坂本九と言う声と中島みゆきという声が会場で相半ばした。
誰かがちょっと大きい声で「九ちゃん」と言ったから僕はとっさにこれで坂本九に決まってしまうと思った。
それでとっさに僕は「先生、北海道なので中島みゆきが聴きたい」と言った。
すると先生は
「そうなんです。中島みゆきは帯広の出身なんです。昨日、甲子園で帯広農業勝ちました。
あ、その話はどうでもいいか」とおっしゃった。
僕も今年の甲子園は各校一試合だけだし、それほどチェックしていなかったし第一、帯広農業が甲子園に出ていることも知らなかった。
それで家に帰ってきてネットで甲子園の結果をチェックすると本当に帯広農業が強豪、健大高崎に勝っている。
やはり特に男は誰でも自分の出身地の学校の甲子園の結果は注目するんだなと思った。勝っても負けても。
それでその勢いで先生は「では中島みゆきの誕生を歌います」と言ってピアノの弾き語りで誕生を歌ってくださった。
思い入れたっぷりに。
中島みゆきが聴けてよかったと思った。
でもネットに甲子園の試合の様子が写真で出ていてその写真を見ると、どの選手も本当に栄冠は君に輝くの歌詞の通り、一球に一打にかけて必死の様相でプレーしている。一試合だけでどこが優勝ということが決まらなくても、やはり甲子園、その場に立つだけで必死にプレーしてしまう。
そういう力が甲子園という場所にはあるんだなと思う。
場所が持つ力。そういうものというのは僕は必ずあると思う。
何十年とプロと高校生、多くの人が必死でプレーしてきた場所、そして多くの人がスタンドから必死に応援してきた場所というのは必ずその場所に力がこもるものなのだと思う。
たとえコロナでスタンドに人はいなくても、、、。
パワースポットという言葉とも共通するものがあるのかもしれない。
多くの人が祈り続けてきた場所というのもきっとそうだと思う。