ケンのブログ

日々の雑感や日記

一月一日

2022年01月02日 | 日記歌入り
お正月ということで、「懐かしい歌」というタイトルの本の中からその名も「お正月」という歌の歌詞を見ていた。

その二番はこんな歌詞になっている。

“”お正月には毬(まり)ついて、追羽根ついて遊びましょ
早くこいこいお正月“”

この歌詞を見て、僕の祖母は終生、ボールという語彙が身につかず、ボールのことも毬(まり)と呼んでいたことをしみじみと思い出した。

あるとき、僕は祖母と野球中継を見ていた。

岐阜なので中日ドラゴンズの試合だ。相手チームがどこかは忘れてしまった。

テレビはついていて、祖母は寝転がっているのだけれど、ぜんぜん野球中継に意識がいっていないことがわかる。

祖母が寝転んでいて、ただ漫然とテレビが野球中継を流しているという感じだ。

それを見て僕は祖母に「おばあちゃん、野球好きやないの?」と聞いた。
祖母は「そんなもの好きやないわ」と祖母は言った。

「なんで好きやないの?」と僕は聞いた。

「そんなもの、大きな男が小さな毬(まり)をぼって走って何が面白いんや」と祖母は答えた。
※ぼって走るというのは岐阜の方言で追って走るという意味です。

野球のボールを小さな毬とよぶ祖母の言語感覚に僕はわらってしまった。

大きな男が小さな毬を追う という表現も大きい 小さいの対比表現になっていてそれも面白かった。

それで、祖母がどの程度野球を知っているか確かめるために僕は
「おばあちゃん 落合って知ってる?」と祖母に聞いた。

すると祖母は「落合はまあ知っとるわ」と言った。

「どうして落合は知ってるの?」と僕は祖母に聞いた。

「それはテレビに出る人がみんな落合 落合って言っとるから覚えたわ」と祖母は答えた。

祖母は僕の質問に結構真面目に、素朴に答えてくれたからそれが面白かった。

ちなみに名古屋や岐阜の古い年代の人は例えばパイプのことはピャープ
大根(だいこん)のことは、でゃーこん、エビフライのことは エビフリャーと発音する。

その流れで祖母は落合のことを おちあい ではなく おちあぇ と発音していた。

懐かしいなと思う。

今年は団塊の世代が後期高齢者 つまり75歳に突入していくという。

後期高齢者と言っても、いまや 戦後生まれだから、まさかボールを毬という人はいないだろう。

僕も毬つき遊びはしたけれど、実際に毬をつくわけではなくドッジボールを毬の代用につかっていた世代だ。

しかし、僕も今年の誕生日で60歳。

それは今年60歳になる人の祖母なのだから、ずいぶん昔の人間なのだなと思う。

それと同時に、もう自分も十分に年をとったということに改めて思いが至る、、、。

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お正月ということで「一月一日」という歌をカラオケDAMの音源で歌いIC
レコーダーで簡易に録音したものをアップします。

聴いていただければ嬉しいです。