特高警察 |
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悪名高き特高警察は、過去のもの? 1911年に創設され、1945年の敗戦により「解体」されたとされる特高警察。果たして「特高警察」は過去のものなのか。 本書は、『特高警察関係資料集成』(全38巻)をまとめるなど、特高が残した大小さまざまな記録を読みこんだ著者が、その「生態」に迫ったものである。自分たちこそが国家を守っているとの使命感にもえる特高警察は、中央で、地方で、また「満州」や朝鮮で、いかなる行動をとってきたのか。 日本に特殊かどうか、ドイツの秘密警察ゲシュタポとの比較も試みる。 著者が「生態」と表現するように、生き物のごとく増殖し、しぶとく生き残り続けるさまが見てとれる。 貧困問題、震災や原発事故など、さまざまな社会不安にゆれる現代日本でいま、「特高警察」を考えることに、不幸なことであろうがリアリティーがある。これからの未来のために、示唆に富む1冊である。 (岩波新書編集部 大山美佐子)
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■著者紹介 |
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■目次 |
はじめに |
I
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特高警察の創設 | ||
1 特高警察の前史 2 大逆事件・「冬の時代」へ 3 特高警察体制の確立 |
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II
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いかなる組織か | ||
1 「特別」な高等警察 2 特高の二層構造 3 一般警察官の「特高」化 4 思想検事・思想憲兵との競合 |
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III
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その生態に迫る | ||
1 国家国体の衛護 2 特高の職務の流れ 3 治安法令の駆使 4 「拷問」の黙認 5 弾圧のための技術 6 特高の職務に駆り立てるもの |
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IV
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総力戦体制の遂行のために | ||
1 非常時下の特高警察 2 「共産主義運動」のえぐり出し 3 「民心」の監視と抑圧 4 敗戦に向けての治安維持 |
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V
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植民地・「満州国」における特高警察 | ||
1 朝鮮の「高等警察」 2 台湾の「高等警察」 3 「満州国」の「特務警察」 4 外務省警察 5 「東亜警察」の志向 |
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VI
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特高警察は日本に特殊か | ||
1 ゲシュタポの概観 2 ゲシュタポとの比較 |
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VII
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特高警察の「解体」から「継承」へ | ||
1 敗戦後の治安維持 |
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結びに代えて 主要参考文献 |
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