「蟹工船」日本丸から、21世紀の小林多喜二への手紙。

小林多喜二を通じて、現代の反貧困と反戦の表象を考えるブログ。命日の2月20日前後には、秋田、小樽、中野、大阪などで集う。

プロレタリア評論文学史のために メモ

2012-11-17 16:49:22 | 多喜二研究の手引き

一九二八(昭和三)年

一月  蔵原惟人「無産階級芸術運動の新段階」「前衛」

三月 ※プロ芸、前芸合同、全日本無産者芸術連盟(ナップ)結成

五月 ※「戦旗」創刊

  蔵原惟人「プロレタリア・リアリズムへの道」「戦旗」

六月  中野重治「所謂芸術大衆化論の誤りについて」「戦旗」

 七月  鹿地亘「小市民性の跳梁に抗して」「戦旗」

 八月  蔵原惟人「芸術運動の緊急問題」「戦旗」

     鈴木厚「大衆化の弁」「時事新報」一~四日

 九月  中野「問題の捩じ戻しとそれに就いての意見」「戦旗」

     ルナチャルスキイ「マルクス主義文芸批評の任務に関するテーゼ」「戦旗」

 十月  蔵原「芸術運動に於ける左翼清算主義」「戦旗」

     林房雄「プロレタリア大衆文学の問題」「戦旗」

 十一月 中野「解決された問題と新しい仕事」「戦旗」

     蔵原「理論的な三,四の問題」「東京朝日二八日」

     勝本「芸術的価値―社会的価値―併せて文学の大衆性の獲得について」「三田文学」

 十二月※ナップ再編成、全日本無産者芸術団体協議会(同じくナップ)成立

 林房雄「実際的問題二三」「東京朝日新聞」二五~二七日

一九二九(昭和四)年

一月  林房雄「大衆文学の理想と現実」「新潮」

 林房雄「プロレタリア文学と「大衆小説」の関係」「読売」一六~一八日

     勝本清一郎「大衆文芸論に用心しろ」「読売」二三~二四日

二月 ※日本プロレタリア作家同盟創立大会

  青木壮一郎「プロレタリア文学の大衆性の問題に関連して」「文芸戦線」

   富士辰馬「階級大衆文芸に就いて」「東京朝日」一一~一二日

   平林初之輔「文学に於ける新形式の要望」「新潮」

   谷川徹三「文学形式問答」「改造」

   平林初之輔「政治的価値と芸術的価値」

   青野季吉「マルクス主義文学の誤導」「東京日日新聞」一九~二一日

   平林初之輔「目的意識の昇華」「東京日日」二八~三〇日

   横光「形式主義は描写主義を新興する」「読売」一四~一六日

   大宅壮一「形式論と形式主義論」「文章倶楽部」

四月  森辰之介「プロレタリア大衆文学は如何に解決されるべきか?」「黒色戦線」

鈴木厚「大衆化再々論」「国民新聞」二二~二五日

坂本石創「プロ大衆文芸」「新愛知」二四~二七日

五月  大宅壮一「マルクス主義文芸の自殺か他殺か」「新潮」

   川口浩「平林初之輔氏の所論」「戦旗」

岩等雪夫「プロレタリア大衆文学論者の危険性」「時事新報」二〇~二三日

六月  勝本「芸術的価値の正体」「新潮」

   小宮山明敏「芸術的価値における相対値及び絶対値の問題」「近代生活」

   勝本清一郎「芸術運動に於ける前衛性と大衆性」「新潮」

   青木壮一郎「「芸術的価値」の問題をめぐって」「文芸戦線」

   岩崎純孝「芸術的価値と政治的価値」「文芸レビュー」

七月  雅川滉「芸術的価値に関する決議」「近代生活」

   岡沢秀虎「文芸作品の価値に就いて」「新潮」

小林多喜二「プロレタリア文学の「大衆性」と「大衆化」について」

 「中央公論」

雅川滉「蔵本・勝本両氏の所説を難じて芸術的価値の本質を論ず」

「文芸都市」

八月  平林初之輔「諸家の芸術価値理論の批判」「新潮」

   蔵原「マルクス主義文芸批評の下に」「近代生活」

九月  三木清「芸術的価値と政治的価値に関する哲学的考察」「社会科学」

   鈴木厚「プロレタリア芸術価値理論」「三田文学」

   広津和郎「政治的価値と芸術的価値」「東京朝日」一七~一九日

   青野季吉「何が大衆的な?」「都新聞」一七~一九日

十月  中野重治「芸術に政治的価値なんてものはない」「新潮」

  三木清「啓蒙文学論」「改造」

   平林初之輔「芸術論に於ける未解決の根本問題」「新潮」

貴司山治「新興文学の大衆化」「東京朝日」一二~一四日

 十二月 蔵原惟人「新芸術形式の探求へ」「改造」

一九三〇(昭和五)年

一月  青木壮一郎「「プロレタリア大衆娯楽文学」不可能論」「文芸戦線」

 二月  平林初之輔「大衆文学の概念」「祖国」

     雅川滉「作家と作品との関係を語りながら芸術的価値についても

触れてみよう」「文芸レビュー」

 三月  貴司山治「大衆文学としての暴露小説」「文学時代」

 四月  谷川徹三「マルクス主義文学理論の一批判」「思想」

     青野季吉「実践されたプロレタリア・リヤリズムの検討」「文芸戦線」

     貴司山治「文芸大衆化の明日」「東京朝日」一八~一九、二〇日

 五月  中野重治「文芸の大衆化問題の新しい結語のために」

「読売」九~一〇日

 六月  蔵原惟人「芸術大衆化の問題」「中央公論」

 七月  大宅壮一「芸術の大衆化を中心として」「新潮」

     谷川徹三「形式主義再論」「新潮」

     日本プロレタリア作家同盟「芸術大衆化に関する決議」「戦旗」

     生田長江「何を大衆化する」「都新聞」一〇~一二日

 八月  河野密「プロ芸術の大衆化」「読売」一〇、一二~一三日

九月  北原武夫「「真理の春」を読む―プロレタリア文学大衆化の一問題」

「三田文学」

十一月 瀬沼茂樹「文学に於ける遠近法の問題」「文芸レビュー」

一九三一(昭和六)年

一月  長谷川如是閑「プロレタリア芸術家とプロレタリア陣営内の対立」

「批評」

 二月  貴司山治「プロレタリア英雄主義の形成とその形式について」

「ナップ」

 六月  平林たい子「プロレタリア・リアリズムについての感想」

「新興芸術研究」

     加賀信一「文学大衆化問題の再検討」「ナップ」

 七月  長谷川如是閑「芸術の大衆性と大衆の芸術性」「新潮」

 九月  立野信之「創作方法に於ける唯物弁証法」「読売」二五~二六日

 十月  藤森成吉「創作に於ける唯物弁証法的方法についての覚書」

「ナップ」

十一月 中野重治「プロレタリア文化連盟の成立」「改造」

     蔵原惟人(古川荘一郎)「芸術理論に於けるレーニン主義の

ための闘争」「ナップ」

十二月 小川信一「文化連盟の組織問題について」「プロレタリア文化」

一九三二年(昭和七年) 

一月    鹿地亘「文学サークルに関する問と答」「プロレタリア文学」

二月二九日 三上於兎吉「徳永直君に寄せて大衆文学を語る」「都新聞」 

三月    徳永直「プロレタリア文学の一方向―大衆文学の戦線へ―」

「中央公論」

       貴司山治「これからだ」「プロレタリア文学」

      「ブルジョア文学に関する決議」「プロレタリア文学」

 二四日   小島勗「プロレタリア文学大衆化の方向」「東京朝日」 

      コップ大量検挙

      地下鉄スト

四月   常任中央委員会「右翼的危険との闘争に関する決議」

「プロレタリア文学」

      宮本顕治「プロレタリア文学における立遅れと退却の克服へ」

「プロレタリア文学」

      小林多喜二「『文学の党派性』確立のために(徳永直の見解について)」「新潮」 

      青野季吉「文壇状況論」「改造」

五月   貴司山治「自己批判の実践へ」「プロレタリア文学」 

      徳永直「『大衆文学形式』の提唱を自己批判する」

「プロレタリア文学」 

 川端康成「文芸時評 文士の政治運動――プロ文化連盟の問題」

「東京朝日」

      新居格「文学の忠実と思想への忠実」「新潮」 

  十八日 青野季吉「左翼文学と極左文学」「読売新聞」

     ※三二年テーゼ発表 

六月   林房雄「笑ひながら」「プロレタリア文学」

「右翼的危険との闘争に関する決議を徹底化せよ」

「プロレタリア文学」

      小林秀雄「文芸時評 現代文学の不安」「改造」 

      青野季吉「蔵原惟人君について」「改造」 

  二十日「西田博士に聞く座談会」「読売新聞」

七月   林房雄「文学のために」「改造」

      三木清「文芸時評 文学の真について」「改造」 

八月   伊藤継(小林多喜二)日和見主義の新しき危険」「プロレタリア文化」

      那珂孝平「「創作活動と組織活動との統一」の問題」「プロレタリア文学」

    林房雄「青年」「中央公論」

四日  前田河広一郎「作家をして作品へ」「国民新聞」~六日 

九月   林房雄「作家として」「新潮」

      淡徳三郎「日本プロレタリヤ文化運動の将来」「改造」 

      亀井勝一郎「リアリズムについて」「プロレタリア文学」

      「国際青年デー迫る」等「新興教育」

      大森義太郎「思想善導の哲学」「改造」

一〇月  鈴木清「一歩前進二歩退却」「プロレタリア文学」

       亀井勝一郎「林房雄の近業について」「プロレタリア文学」

      徳永直「林の『青年』を中心に」「プロレタリア文学」

      野沢徹(宮本顕治)「政治と芸術・政治の優位性に関する問題」

「プロレタリア文化」 

十一月  野沢徹(宮本顕治)「政治と芸術・政治の優位性に関する問題(承前)」

「プロレタリア文化」

      「創作活動並びに批評活動についての大衆討議に関する決議」

「プロレタリア文学」

十二月  中條百合子「文学に関する感想」「プロレタリア文学」

      堀英之助「右翼的偏向の諸問題」「プロレタリア文学」 

一九三三年(昭和八年) 

一月   中條百合子「一連の非プロレタリア的作品」「プロレタリア文学」

      小林多喜二(堀英之助)「二つの戦線における闘争」

「プロレタリア文学」

      「文化戦線におけるレーニン主義のために」「プロレタリア文化」 

      野沢徹(宮本顕治)「政治と芸術・政治の優位性に関する問題(完)」

「プロレタリア文化」 

      林房雄「名越の谷から」「新潮」

  二八日 神近市子「二月の文藝作品」

二月   小林多喜二「右翼的偏向の諸問題」「プロレタリア文学」

      林房雄「作家への手紙」「改造」

  二十日   小林多喜二虐殺される。

三月   小林多喜二「右翼的偏向の諸問題(遺稿)――討論終結のために」

「プロレタリア文化」 

四月   中條百合子「前進のために」「プロレタリア文学」

      小林多喜二「文化サークルの正しき理解のために」

「プロレタリア文化」

     「右翼的偏向との闘争に関する決議」「プロレタリア文化」

五月   中條百合子「前進のために」「プロレタリア文学」

六月   佐野学・鍋山貞親「共同被告同志に告ぐる書」

     ※「文化集団」創刊

九月   徳永直「創作方法上の新転換」「中央公論」

一〇月  林房雄「プロレタリア文学の再出発」「改造」

      徳永直「ナルプに対する希望」「新潮」

      山崎利一(宮本顕治)「文化サークル活動に対する懐疑的清算主義的傾向の決算」「プロ文化」

  ※林房雄、武田麟太郎、川端康成、小林秀雄「文学界」創刊

十一月  林房雄「一つの提案」「文化集団」

   山崎利一(宮本顕治)「文化芸術運動の基本的方向の歪曲に抗して」

「プロレタリア文化」~十二月

十二月  橋本英吉「プロレタリア文学の急転向」「文芸春秋」

      鹿地亘『文学運動の新たなる段階のために』国際書院

十二月二六日※宮本顕治検挙

 

●一九三四年(昭和九年) 

二月   山田清三郎「プロレタリア文学の新段階」「文学建設者」

    鹿地亘『日本プロレタリア文学運動の方向転換のために』

ナルプ出版部

   作家同盟解散


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マルテンサイト千年鉄魂 (グローバルサムライ)
2024-03-28 10:17:57
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの物理学的な理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
返信する
構造改革 (リベラルアーツ関係)
2024-03-31 09:20:10
多神教といえばやはり明治維新の原動力となった国学というものがイメージされますね。本居宣長の古事記伝とか。あと廃仏毀釈は神仏融合の伝統を否定しようとしたり、しかし仏教を消滅させようとすることはありませんでしたよね。これは古代ローマと違い多神教的な多様性を尊重するような寛容の精神があったのでしょうかね。いずれにしても文明開化は様々なビジネスチャンスをもたらし殖産興業は官営だけでなく民間経済の発達も引き起こしましたね。
返信する
日本海の北前船 (安来撃剣)
2024-03-31 16:05:07
安来あたりのたたら製鉄が活躍した時代ですね。
返信する

コメントを投稿