数日前に急遽連絡があり、昨日プレイパークに集まり、近くの梅林に行くことになった。というのも、しばらく手付かずになってしまったという山の梅林で梅を収穫しようという次第だ。プレイパークでよく出会う親子十数人と現場に行く。そこは樹形が伸び放題の暗い梅林で、脚立か木登りしないと実は獲れない状態だった。できる範囲でノコギリでやや強い剪定をしながらまずは収穫に専念する。
市販されているような斑点のない梅は皆無に近かった。枝が上に真っ直ぐ伸びたり、徒長枝が暴れていたことで実に太陽がしっかり当たっていないせいかと思えた。この斑点はカビやウィルスによるようだが、中身には大きな影響はないそうだ。樹は老木が多く更新もされていないから、文句は言えない。
本当は、上のイラストのように樹形が横広で樹高を低くするのが生産用梅の理想の樹形だ。ここの梅林を時間をかけて少しずつ剪定していこうということになった。子どもたちも木に登ったり、転がった梅を拾って集めたり、奇声を上げて収穫作業に参加している。また、子どもと鬼ごっこをやってくれるママもいた。ふだんはひっそりした山あいに子どもの歓声が久しぶりに炸裂する。
最後に、地主さんに敬意を払う意味で、枝をまとめて整理したり、捨てられた梅を数か所に集めたり、誰かが無断で廃棄した燃えないゴミを回収してから現場を後にする。(イラストは、[ともさんのHP]から)
プレイパークに戻ってからはいつものように食事をとったり土やニワトリと遊んだり、親子でゆったりした臨時のプレイパークとなった。いつもながら、脚立・ダンボール・かごなどの荷物や参加者らのピストン輸送にがんばる主催者の西田君らの熱気がありがたい。
高齢者が多くなり梅林の管理も厳しくなった中山間地に若い親子がこうしてかかわっている姿がまぶしい。このような風景の実現を行政はなぜ推進・応援できないのだろうか、考えさせられる。行政マンやその退職者が地元でボランティアをやっている姿はなかなか出会わない。だから、ボランティアの意味やその心もつかめない。それではボランティアの組織化もできないわけだ。
梅仕事を毎年やってきた和宮様に収穫した梅を献上したら、今年はできないと思っていたら適度な量の梅がきたのでびっくりされていた。さっそく、状態の良い梅をチョイスしながら梅シロップを作ろうと、まずは梅を選別してから洗う作業を始め出した。それから冷凍庫に選別した梅を次々入庫し始めていた。もう一週間前に収穫できたらもっと状態の良い梅を確保できたかもしれない。梅はタイミングが微妙。だけどそれ以上に、ひっそりした山間地で親子の歓声を観ることができたのが最大の収穫だ。