わが家の放任農業の優等生であるキウイを収穫する。長い夏だった今年の異常気象はわが農作業にもあちこち影響した。したがって、キウイも短い秋のため収穫が例年より10日ほど遅くなった。和宮様のご命令も日々の天候を踏まえての緻密なご託宣だった。今年の収穫量は往時の四分の一ほどしかなかったが、一つひとつの個体は大きい。わが家の柿も栗もキウイも人間もみーんな後期高齢者となってしまった。
キウイも老木になって、所々にキノコが生えるようになってしまった。このキノコはおそらくナラタケモドキと思われる。いっぱい群生すればこれも食べられる。根元周辺ではときどきブンタンくらいの大きさの「オニフスベ」も発生したこともある。これも食べられるがその時期を見分けるのがむずかしい。新しい幹を育てればいいのだがなかなか太い幹を伐採する勇気が出ない。
たわわな実もいくつかあったが実が例年より少なくなったことは事実だ。とはいえ、味の旨さの美味は変わらない。品種はヘイワードだが、これはニュージランドのヘイワード・ライトさんによって発見・開発栽培に成功、原種の小さなサルナシを改良して緑の果肉の大きいものだった。1920年代のことで、そこからアメリカやカナダに栽培が広がる。それから、昭和40年(1965年)ごろアメリカから日本に輸入される。だから、果樹としてはまだ発展途上の存在かと思われる。
最近は果肉が赤っぽいものや黄色のものや皮ごと食べられるものも出てきたが、どうも甘すぎてなかなか決定打にはもう一歩というところ。とはいえ、食物繊維・カリウム・鉄分などは果物の中ではトップクラス。夜食べると睡眠中の腸内環境にいいらしい。中山間地にはよく見かけるキウイ棚だけどその多くはジャングル状態が多い。もったいないね。剪定だけでもやってあげるとわが家のように小さな生き甲斐が見えてくるのだが…。