畳に15mmくらいのでかい「クロオオアリ」が歩き回っていた。時期的に雨後の晴れた日に多数のオスアリとメスアリが「結婚飛行」をして交尾するというが、それにはずれた一匹がむなしく来たのだろうか。とにかくデカイ。日本の最大級のアリだけに迫力がある。
クロオオアリの女王の寿命は10~20年で数万匹のコロニーを形成するという社会性のあるアリだ。女王が死ぬとその巣も崩壊する。寿命が1~2年の働きアリの任務も細分化されコロニー形成に大きな役割を果たして死んでいく。毒はないので無害だけど咬まれたら痛そうだ。基本的には幼虫や死骸、さらには花の蜜を集める平和主義者でもある。あまりに大きいので女王陛下のお出ましかとびっくりした次第だ。アリはハチが進化した優れ者だ。
また、おとなしそうな「フタオビハバチ」らしきハチもやってきていた。「葉蜂」らしくふだんは葉を食べて成長する。蜂を見ると刺される心配があるが毒針はないハバチだ。日本には500種以上もあるだけに、同定には手こずってしまう。
しかしながら、似た仲間に「ハグロフタオビドロバチ」というドロバチがいる。こちらのほうがより近いかもしれない。ハバチのほうの帯が黄色に対しこちらは帯の色が橙色というのは決定打なのだろうか。
そのうちに、同定に迷走しているうちに「エントツドロバチ」というのに出会う。正式名は、「オオカバフスジドロバチ(大樺斑條泥蜂)」というが、覚えにくい。そういえば、わが家にはドロバチの巣がいくつもある。竹の筒に泥の巣があるときもある。そういう状況証拠からこれが最終的にはぴったりだという結論に至るが…。