山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

追悼集”寺山利子『一息いれて』” その①

2016-01-12 19:54:46 | ポエム
 昨年急逝したテラちゃんの遺稿集『一息いれて』が正月早々送られてきた。
 オイラも学年トップを競った背の低さだったが、テラちゃんは150cmはなかった気がする。
 そんな小柄な体から発する行動力とキレのいい意見と優しさにはいつも襟を正す思いだった。
 テラちゃんがこれほどに詩を書いていたとは知らなかった。
 テラちゃんと年齢が近いわりには、テラちゃんのフットワークの柔軟さといい、感性や好奇心の多様性といい、子どもの心を失わないピュアな精神といい、原点はここにある思いがした。

        
              「一息入れていいんじゃない」
 パート勤めも二十年
 二人の娘も社会人
 そこそこなりの生活に
 「私の望みは何だった?」
 からんだ糸を解きながら
 ますます絡むその糸を
 ちょいとそのままにしておいて
 一息入れていいんじゃない

                         
 何が出来る訳じゃない
 何かが誇れる訳もない
 それでも一応人並みに
 私は人生考える
 「これでいいの?」と悔やんでる
 どうせ昨日に戻れなきゃ
 熱いコーヒーでも入れて
 テレビの音を聞き流し
 一息入れていいんじゃない

                          
 それでもやっぱり思うのよ
 私は私で今ここに
 生きているのは事実だし
 私がしてきたそれなりの
 事があるのも事実だと
 どこかに埋もれているだけの
 小さな一人の生きざまを
 ちょっと記してみたいから
 野に咲く花を見るように
 一息入れていいんじゃない

              (2003年夏)
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