知って得する!トリビアの泉
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 古代オリンピックの選手は裸身で競技した。男性の肉体美をたたえる文化や、不正防止がその理由とされるが、実は当初は腰巻きをつけていた。言い伝えによると紀元前720年の第15回大会でオルシッポスという選手が初めて裸身で走って勝利したという▲歴史家のパウザニアスは「彼は裸の方が楽に走れると知っていた」と書いている。一説には走っている最中に腰巻きがとれたともいうが、はっきりしているのはオルシッポスが勝った時からすべての選手が裸で走るようになったことだ▲つまり選手はみな勝負に有利な方を選んだのである。ある史書はそれ以前のギリシャ人は裸をさらすのを恥としていたというが、勝利のためには恥ずかしいなどといっていられなかったわけだ(F・メゾー著「古代オリンピックの歴史」)▲現代では裸身よりはるかに好記録を約束してくれる魔法のような靴やウエアをアスリートたちは選ぶ。とくに水泳の水着は、その形や素材によって記録が左右されるだろうことは素人にも想像がつく▲競泳で多くの世界記録を出す英社製水着と、日本水泳連盟が水着提供契約を結ぶ国内メーカー3社の製品の性能比較が注目されている。連盟が英社製品に対抗できる水着の改良を3社に求め、改善されなければ北京五輪日本代表選手が英社製品を着るのを認める可能性があるというのだ▲選手の応援よりも前に、いずれかの水着を応援したくなるのも変な話だ。どうであれアスリートが勝利のため少しでも有利な条件を求めるのは古代ギリシャと変わるまい。ただ裸で競った昔と違い、人の栄光よりウエアの栄光がたたえられかねないのが現代である。

毎日新聞 2008年5月15日 0時18分

追申
 私は思うのであるが、現代のオリンピックでも、オリンピック委員会が権限を持って、競技種目により、アスリートが着るウェアーを決めればよいのである。それに逆らう選手は古代オリンピックのように裸で競技をするようにすれば良いのである。



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