知って得する!トリビアの泉
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 毎日新聞を読んでいて、興味あるコラムがあったので、掲載させてもらう。
 「人の内証(ないしょう)は張物(はりもの)」という江戸時代のことわざがある。「内証」は内々の経済状態のこと、「張物」は中身のない見せかけという意味で、要するに「人の身代は見せかけが多い」ということだ。まあ暮らし向きや経営の粉飾は江戸の昔から世の常だったらしい▲今ではもっぱら秘密を示す「ないしょ」という言葉になった内証である。だが以前は帳場、妻女、奥向きの場所など、内々の事柄を示す実にさまざまな意味に使われた。ちなみに「内証がまわる」とはふところ具合が悪くなることだという▲さてもし内証が張物ならば投資家を欺くことになる現代の企業である。その企業会計の適正をチェックする監査法人の公認会計士が、あろうことか顧客企業の内部情報を基に株取引をしていたというインサイダー取引疑惑が先ごろ発覚した▲会計士が企業の内証に入り込み、いち早く実情を知ることができるのは、いうまでもなく市場の公正と透明性を守る職務のためである。それをないしょで私利を図るのに利用されては、公正も透明性もあったものではない。公認会計士の「士」という字が泣くスキャンダルである▲NHK記者らによるスクープ報道を利用したインサイダー取引が発覚したのもつい最近だ。あっちでもこっちでもこの有り様では、政府がインサイダー取引に対する課徴金を2倍に引き上げる法改正を国会に提出するのも当然の措置である▲語源をさらにたどると「内証」とはもともと人が自ら心の内で悟る真理を表す仏教用語だったという。では専門職に携わる人々を心の内側から律してきたモラルや誇りはいつ、どうして「張物」になってしまったのだろう。

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