医療療崩壊「かわら版」(8)
t 「ただ働き」に司法の判断
奈良県立病院産婦人科医師2名は、「当直という名の夜勤」の対価2年分、9千2百万円の支払いを請求、奈良地裁に提訴、4月22日奈良地裁は、労働保障の時効部分を除いて、1.540万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。
医師の「偽装当直」を「夜勤労働」と認めて、その対価を支払うとした判決は、全国初!。
「パンドラの箱」から飛び出した災厄は、①当直勤務では対応しきれないこと現実を明らかにし。②いきおい、少ないスタフで、連続労働の夜勤をせざるを得ないこと。③労基法に従って交替制勤務にするには、医師不足が足かせになること。④違法当直を夜勤にするには、莫大な労働対価の人件費が必要になること。⑤激務に耐えかねて「立ち去り型」の離職が増え、さらに残った医師に過重な負担が集中すること。
かくして、辛うじて踏ん張って残った病院や医師に、患者が集中する悪循環の連鎖反応は、やがて将棋倒しの2次、3次の連鎖を引き起こします。
奈良県は、控訴しました。
「パンドラの箱」の底に、果たして希望の光が見えるのは、はるか先の夢物語にも等しい現実です。
しかし、労使双方はもちろん、「ボール」は、確かに厚労省の手に返されたことは事実です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます