新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

人体実験・肥満からの脱出・8

2006-12-30 14:56:46 | 健康・病気

Dsc02111 Photo_16   さらに6キロの減量

 80キロから73キロになって、12年間は体重はまったく変わりませんでした。

 食事の量や運動量を一定にした、日常の生活パターン、ペースとリズムを保ち、繰り返していると、それに見合った体重に落ち着く、なにか法則の大発見でもしたような気分になりました。

 それと同時に、もしかして、体重が思うように、自由自在にコントロールできるのではないか、そんな希望のようなものが湧いてきて、それなら、あと5~6キロくらい減量してみようか、と思い立ちました。

 体重80キロ;BMI=26,8 (判定=肥満Ⅰ度:WHO=前肥満)

 体重73キロ;BMI=24,7 (ぎりぎりセーフ)

 目標体重67キロ;BMI=22,6 (判定=正常:WHO=正常)

 さて、どうすれば、目標の減量が達成できるか?

 73キロ⇒目標67キロ、マイナス6キロへ

 痩せるサプリメントなど、使う気は全くない、食事の量も質も、変えるつもりもない。

 もう少し、運動負荷をかけてみるか?

 1日おきの水泳(1回1300~1500メートル)に、なにを負荷するか?と考えました。

 以前から云ってはいたのですが、ちょうどその頃、女房殿が、「犬を飼いたい、いますぐ、どうしても、・・・」もう矢も盾もたまらない衝動にかられました。

 生き物を飼う以上、いろいろと生活に制約も加わり、義務と責任の重さを考えて、かたくなに「反対」を表明したが、「見るだけでも、・・・」とペットショップへ。

 そこで一目惚れしてしまったのが、生後4ヶ月のシュルティー・鹿児島生まれのメス、「ラン」でした。

 「連れてってーッて顔してる」もう、こうなったら、どうしようもありません。

 噂で聞けば、売れ残ったペットたちは、適当な頃合を見計らって、処分?されるのだとか。

 それでも「飼うの、止めよう」とでも云ったら、いい歳して、いまにも泣き出しそうな気配。

 そこから、隔日の水泳に加えて、天気がよければ毎日「ラン」との1時間の散歩が始まりました。

 体重など、どうでもいい状態で始まったウォーキング。

 ところが、どうでもいいどころか、劇的な変化が起こりました。

 

 

 

 

 


ノロウイルス・緊急対策ー続々ー

2006-12-23 19:02:40 | 健康・病気

 ノロウイルス、何度でも罹患

 はしかや天然痘などは、一度罹患すると、体内に免疫ができて、二度と罹らない仕組みができるのですが、ノロウイルス感染症の場合はどうなのか?といった質問のメール等、いくつか寄せられていますので、お答えしてみます。

 質問の一つは、生牡蠣や二枚貝などを食べていないのに、なぜ罹るのか?

 いま、もっとも凄い勢いで感染が拡大しているのは、直接生牡蠣など二枚貝によるものではなく、患者が嘔吐した、吐瀉物の始末といいますか、処理が不完全・不適切なために、床や絨毯にへばりついた吐瀉物、これには天文学的な数のウイルスが混じっていて、これが乾燥して埃状態になって一緒に舞い上がり、それが人の口に入り、腸に行って一気に増殖し、発症します。

 吐物は、腸から胃に逆流して、吐きだされるので、大量のウイルスが付着しています。

 赤ちゃんの糞便も、病人のオムツも、ウイルスの巣である腸管を通ってくるので、吐物と同様です。

 もう一つの質問は、ノロウイルス感染症の免疫に関することです。

 充分な免疫ができるためには、抗体が作られなくてはなりません。その抗体を作るためには、充分な抗原(細菌やウイルス)が必要になります。

 ノロウイルスに感染すると、腸管内で免疫グロブリン、IgAという蛋白が作られます。

 しかし、ノロウイルス感染症は、ノロウイルスが数個か10個程度で感染し発症するといわれていますので、充分な抗体(IgA)を作るだけの抗原が不足して、抗体も僅かしか作られません。

 そのために、免疫を獲得することができないので、理論的には、何度でも罹患することになります。

 もう一つの質問はワクチンはなぜできないのか?です。

 ワクチンを大量に作るには、ノロウイルスをたくさん増殖しなくてはなりませんが、プラントで大量に増殖する方法が、残念ながら、まだ確立していないのが現状です。

 いま、この連鎖的感染を食い止めないと、大変な新年を迎えることになりそうです。

 医療関係者、とくに感染防御の専門家である、臨床検査技師の方々、現役であろうとOB・OGであろうと、あらゆる方法・手段を駆使して、感染防御の啓発に努めて頂きたいと思います。

 


ノロウイルス・緊急対策ー続ー

2006-12-23 09:20:49 | 健康・病気

 朝日新聞社説でも

 21日にアップしました、ノロウイルスの件について、次亜塩素酸ナトリウムの扱いで、注意を喚起したいことがあって、補追します。

 次亜塩素酸ナトリウムと、酸性の洗剤などを、併用したり、うっかり混ぜ合わせたりすると、有毒なガスが発生して危険ですので、浴室やトイレの消毒や掃除に気をつけてください。

 とくに塩酸やお酢などの混用で死亡事故も起こっています。

 翌日(22日付)の朝日新聞社説、“ノロウイルス「感染力の強さに警戒を」”をご覧ください。

 ほとんど同様な記事になっていますので、ちょいとビックリしました。


ノロウイルス・緊急対策

2006-12-21 15:52:38 | 健康・病気

 ノロウイルスの性質

 ノロウイルス感染症に関する質問の書き込みがあったので、臨床検査技師として、分かる範囲でお答えします。

年末が、ノロウイルス伝播のピークになることが予想されています。

 ノロウイルスは、経口感染で、感染力が強いのと、二次感染を惹き起こして伝播が拡大します。

 そして、口から腸に達して、小腸で一気に増殖します。

 感染して発症するまでを、潜伏期間といいますが、およそ1日か2日です。

 主な症状は、腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、発熱はそれほど高くないようです。

 こんな症状が2日~3日続いて、多くは後遺症もなく治っていきます。

 感染しても発病しない人もいますし、風邪のような症状で済んでしまう人もいます。

 しかし、幼児、高齢者、体力の衰えている人、免疫力の低くなった病人、病気に対する抵抗力のない人などは、重症化する危険があります。

 怖いのは、発病による脱水症状です。単に水分がなくなるだけでなく、代謝に不可欠なナトリウムやカリウムなどの電解質が、嘔吐によって摂取できなくなったり、下痢によって、吸収を阻まれて不足してくることによって、危険な状態になることです。

 「やられた」と思ったら、かかりつけの医師に電話するなり、近くの病院に電話を入れて、できるだけ早く医師の診察を受け、対症療法の、電解質の入った輸液、いわゆる点滴を受けることがいいと思います。

 また、ノロウイルスに有効な抗ウイルス剤などはありません。

 ノロウイルスによる発病かどうかは、遺伝学的な検査法で確める方法はありますが、保険の対象ではなく、自己負担でおよそ1万8千円くらいかかります。

 多くは、検査の結果がでるまでに治ってしまいます。

 感染防止の対策は?

 どこの何から感染するのか? 「牡蠣による食中毒」と教わってきましたが、毎年発生するノロウイルスによる食中毒は、牡蠣が原因と特定されたのは僅か15%くらいで、必ずしも、すべてが牡蠣や二枚貝からの感染ではありません。

 いったん伝播が拡大しますと、その感染ルートは多様化してきます。

 とくに多いのは、人から人への感染です。

 中でも多いのは、発病者が吐いた、いわゆる吐瀉物の処理が不完全で、乾燥した吐瀉物が乾燥して、ウイルスと一緒に舞い上がり、人の口に達することによる感染です。

 なにしろ吐瀉物は、十二指腸などで増殖したウイルスが、嘔吐で胃に入り込み、さらに吐き出されるから、ウイルスは、とてつもなく満載状態になっています。

 赤ちゃんの糞便やオムツの処理も同様、ウイルスの塊り、と思ってもいいほどです。

 これらは、塩素系家庭消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム)の原液に15分以上浸して殺菌する必要があります。

 始末するにも、デスポザブルの手袋を使いましょう。使った手袋などは、まとめてビニール袋に入れて、焼却処分など、完全に処分しましょう。

 ドアのノブヤや取っ手などは、50~70%のプロパノールなどが有効とされています。

 生ものを調理した包丁や俎板などは、200倍に希釈した、塩素系家庭消毒液に浸け置きしたり、この液で床を拭いたり、また、糞便などは40倍希釈液に浸けてから始末します。

 生野菜は、流水で注ぎ洗いをし、食品はできるだけ、加熱処理したものをたべるよう気をつけましょう。

 こうして、他への伝播と連鎖を止めることです。 

 ウガイと手洗い励行

 外出から帰宅したら、家族と接触する前に、入念なウガイと、石鹸液などで、少なくとも3分以上は指先、手のひらや甲、手首などをこすり、蛇口の流水で、洗い流すことです。 

  電車のつり革、エスカレーターの手すり、紙幣や硬貨、この時期は、至るところにウイルスが付着していると考えた方がいいです。

 ですから、食事前には必ず、もう一度、手洗いをする習慣をつけましょう。

 このウイルスは消毒用アルコールには強い抵抗力があって、効き目はありません。

 消毒用ペーパータオルなども同様、効果はありません。

 熱湯消毒は、85℃で1分以上加熱すれば、完全に死滅します。

 症状がなくなって、完全に治ったと思っても発病して1週間や10日は、糞便にウイルスがで続けます。 

 詳しくは、市区町村の役所・役場の衛生課や、所轄の保健所に尋ねると、教えてくれます。

 健康で、元気に新しい年を迎えたいと思います。