日病、特定看護師制度に慎重姿勢
「医療機関へのＰＲが不十分」と指摘
日本病院会の堺会長は、２２日の理事会で「チーム医療」問題に関連して特定看護師（仮称）の実態調査を踏まえ、日病としても議論を進めるなかで、医療現場に正確な情報が伝わっていないことの問題点などを、次のように指摘しました。
チーム医療がメインテーマなのに、特定看護師制度の論議が先行突出していることや、ナースプラクティショナー（ＮＰ）の資格認定や、医師の包括的指示、第３者機関の設置の問題、たとえば「特定看護師が必要となれば、麻酔、周術期看護師をどうするか」、などなど、意見集約の難しさが垣間見えるとして、医療現場が混乱しないよう、十分な配慮が必要だとしています。
文科省が、看護師のスキルアップ教育に
４大学に教育課題と補助金を
１８日共同通信が伝えるところによると、文部科学省は、大学病院と看護部が連携して、より高い能力持った看護師を育成する２０１０年度の人材養成プログラムに、４大学を選定しました。
学部から大学病院まで体系的な臨床研修体制を通して、看護師の専門能力の向上を目指す構想です。
名古屋大学；生命に直結する呼吸や循環器に関する技術の向上を目指す教育。
神戸大学は；新人の看護師が複雑な状況でも臨機応変に対処できる実践能力を重視する教育。
徳島大学；効果的な実習ができる指導者を養成。
北里大学；３～５年程度の経験のある看護師がさらに高度な能力を身につけるような教育プログラムを開発する。
それぞれ１校当たり、２,５００万円を補助。
現在進行中のチーム医療推進会議と看護業務ＷＧ会議の特定看護師制度（仮称）の位置づけや、どのような整合性を保ち、かつ臨床検査領域はじめ、関連する各医療職種との競合領域への影響が注目されます。
日看協外しで、Ｔ医療推進会議に反旗
日医ら「特定看護師業務に異議あり！」
チーム医療推進会議メンバーの日本理学療法士協会会長が呼びかけ人になって、看護業務検討ワーキンググループ会議の一部メンバー（９団体）が、日本看護協会代表を外して集まり、特定看護師（仮称）の導入を前提とした議論を展開。
９職能団体が、団結して日看協をけん制した形となりましたが、８月４日、日本医師会の定例会見で、このことが明らかになりました。
討議では、特定看護師導入の問題点として次の３つが指摘されました。
１）厚労省は特定看護師導入を強引に進めているが、特定看護師が導入され、薬剤師など他の職種に指示を出すようなことになれば、他職種の専門性が否定される。
２）国民が安全な医療を受けられなくなる。
３）現在、医師を中心に行われているチーム医療の在り方が崩壊する。
参加した日医をはじめ９団体は、日本看護協会を外したことで、対立の図式がはっきりし、今後の討議に大きな影響が出そうです。
今後は、他職種との業務内容についても検討することになっていますが、日本臨床検査技師会は、当初からメンバーの委嘱を外されているために、検査領域の、どのような業務が医師業務補助になるのか、ただ見守るだけなのは残念なことです。
「臨床」が頭についている臨床検査技師が、やれる事、やるべき業務は、たくさんありますし、たとえ追加研修や講習があっても、積極的に取り組んで業務範囲の拡大に努めるべきではないでしょうか。
ＲＦＯ解散を止めて、２年間延長
社保・厚生年金病院存続、ぎりぎりセーフか？
衆議院議院厚生労働委員会は、３０日の理事懇談会で、宙ブラリンになっていた、全国の社会保険病院５２ヶ所、と厚生年金病院１０ヶ所が、実質、運営を継続できる見通しとなりました。
共同通信によると、運営主体である独法「年金・健康保険福祉施設整理機構」（ＲＦＯ）の解散次期を、９月末から２年間延長する法案を、８月３日の厚労委員長提案による本会議提出の可否を採決することで合意、民・自・公等の各党合意で可決される見通しとなり、政争に翻弄されたこの問題、ぎりぎりセーフとなり、一応、両病院の運営が継続されそうです
「改正年金・健康保険福祉施設整理機構法」が６日午後の参議院本会議で可決成立し、旧機構の解散を回避し、２年間の延長が決まりました。
