新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

医療と国民皆保険の崩壊

2008-11-21 20:49:38 | 医師不足の深層探究

     医師不足は、医者に責任?麻生発言!

 全国知事会での麻生総理大臣の発言は、一国の最高責任者としてのリーダーシップを推し測るのに最適で秀逸です

 「自分が経営(麻生・飯塚病院)しているから言うわけじゃないけど、はっきり言って社会的常識がかなり欠落している人が多い。(医師不足)これだけ激しくなってくれば、責任はお宅(医者たち)の話ではないかと。しかも、『医者の数を減らせ減らせ、多過ぎる』と言ったのはどなたでした、と云う話を党としても激しく申し上げた記憶がある」

 麻生・飯塚病院の医師たちは、お気の毒なばかりでなく、経営責任者としての雇用責任は、どなたにあるの?

               下種の勘繰り?

 「社会的常識が欠落している」と云われた自民党の最大支持母体である日本医師会、茨城県医師会を除いた46都道府県医師会の先生たちは、それでも自民党支持を謳い続ける、なんと太っ腹で、なんと心の広い方たちと、感心させられます。余程のメリット、はかり知れない裏取引が潜んでいるのかと、「下種の勘繰り」をしたくなります。

         「医療亡国論」から「医師亡国論」へ

 「医者の数が多過ぎる」の発端は、1983年「医療と国論」社会旬報で、時の厚生省保険局長・吉村仁氏「医療費をめぐる情勢と対応に関する「私の考え」に端を発しているいわゆる「医療亡国論」だったと記憶しています。

 それが、マスコミによって、「医療亡国論」から「医師亡国論」へ、一部の悪徳医師による不正請求と、長者番付報道とともに「医者が多過ぎるから、医療費が高騰する、だから国が滅びる」そして「医者減らせ」へと変質し捻じ曲げられていった経緯があります。

      首相語録 、次の傑作に期待?          

 麻生発言は、この辺を吐き違え、認識の浅薄さを露呈、いやいや、党内でも、身内(飯塚病院)の間でも、結構普段から話し合っている「ネタ」を、披露したに過ぎないのではないでしょうか。

 医師の養成定員を減らし続けたのは、ほかならぬ、「あなたの党」ではありませんか。

 それにつけても、最近の首相語録は、そんじょそこらの漫画本より、よほど面白い!


医療と国民皆保険の崩壊

2008-11-19 15:31:44 | 医師不足の深層探究

       医療行政と医療現場の乖離(1)

 実際問題、どこから手を付けていいやら、皆目見当もつかないほど、医療現場の窮状と云いますか、惨状が続いて、情報収集に追われるばかりの毎日でした。

       医者のモラルの低下」と断じた二階大臣

 「政治家の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だ。忙しいの、人が足りないのと云うのは、言い訳に過ぎないと断じたのは、東京都をはじめとする、救急妊婦のタライ回し事件を批判した二階俊博経済産業大臣の弁でした。

 おりしも、産婦人科勤務医163名からの全国アンケート調査の回答結果が報告されました。

 在院勤務時間の平均は295時間、月間37日勤務に相当します。最大は、月間415時間、1日8時間勤務として、月間の勤務日数は、なんと52日間。常軌を逸しています。

 これでも、[医師のモラルの問題]と云うのでしょうか。          

        無駄な道路に、1,240億円

 二階大臣の地元、国道42号線に、1,240億円を投じた道路を、地元民は「二階バイパス」と呼んでいますが、投資効果は、ほとんどないとか。

 この無駄金の、10分の1でもいい、NICUに回したら、全国で1.000床も不足している保育器が、20床以上も設置できますし、何人もの救急妊婦や新生児の「タライ回し」が防げることでしょう。 

        問題企業から、多額の献金

 さらに、二階大臣は、談合事件や設計ミスで問題を起こし、営業停止や指名停止処分を受けた3つの企業から、問題発覚後に数百万円の献金を受けています。

 厳しく深刻な医療現場を見た、その上で、「政治家のモラル」の不足を、つぶさに鏡と向き合ってから、「医者のモラル」を云ってほしいと、つくづく思います。