新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

高裁勝訴の判決(8)

2007-04-26 14:38:55 | 臨床検査技師の業務

Photo        最先端医療を潰す
    
桜井よしこ氏、文科省を厳しく糾弾
     
週刊新潮「日本ルネッサンス」
 
文科省の意図的な「議事録隠し」や、地位利用による「議事録のやらせ作成」もさることながら、ブログ人が驚きとともに、最も注目してきたことは、教育・研究・医療の責務を担う国立大学医学部附属病院の、頭脳ともいうべき中枢を支える中央検査部・輸血部・病理部を、平然と外注化するという「提言」でした。 
 医学検査は常々「人の命を測り、苦痛の根源を突き止める」医科学的根拠をなすものであり、診断・治療方針の確立・予後の判定に、必要不可欠なものです。
 輸血行為とは、自己輸血を除いては、「生きた細胞の移殖」にも等しいものであり、それだけに輸血関連検査は医療の安全保障であり、これを外注してしまっては、緊急手術には全く対応不可能です。
 また、病理検査は「最終判決」にも等しい医学的行為による「最終診断」だと主張してきました。
 これらを、こともあろうに安々と民間検査企業に丸投げし、売り渡すが如き「提言」に唖然とさせられました。
 ジャーナリストの桜井よしこ氏は、週刊新潮・4月26日号・連載コラム「日本ルネッサンス」で、この無謀な「提言」について、「最先端医療を潰す文科省」と、厳しく追及しています。

 (桜井よしこ氏より、記事の引用についての許可を頂きました)
 一審の東京地裁の柴田元教授の「勝訴判決」を報じた報道5社が、なぜか、今回の高裁による原告完全勝訴を、おしなべて沈黙し、報道を控えたなかにあって、それは一際光りを放っていました。
 国会に提出した文科省官僚の作成になる、誤った政府答弁書については、高裁は「争う余地もなし」と断じました。
 この虚偽の政府答弁書の署名人は、小泉内閣総理大臣の外遊中に代わって、時の内閣官房長官・福田康夫議員です。
 情報公開法の下、初の歴史的国家賠償請求訴訟、原告勝訴第1号事件としての汚点を払拭するためにも、福田氏自らが文科省に対して、訂正を命じ、謝罪をさせることが、正しい選択と思っています。


厚生労働省と折衝

2007-04-20 20:10:08 | 臨床検査技師の業務

          プロジェクト・チームで厚生労働省と折衝
 
昨日、臨床検査問題プロジェクト・チームとして初の厚生労働省と、およそ1時間20分におよぶ折衝を行い、「臨床検査の改善に関する要請」をしてきました。

 厚労省側からは、医政局・総務課、同経済課、同医事課、保険局医療課、労働基準局監督課などから、6名の担当係官や主査が対応に当ってくれました。

 中心課題は、①臨床検査のブランチラボ・FMSによる弊害の発生について、厚労省として実態調査を行うとともに、規制の強化を要請。

 ②診療報酬の改善と充実。

 ③病院検査部門で常態化している労基法違反の「宿日直」に対して監督指導を強め、交替制勤務ができる人員体制が取れるよう対策を要望。

 短時間でしたが、充実した折衝で、忌憚のない意見の交換もできました。

 とくに、検査に関わる診療報酬の改善・充実については、一定のヒントも得られるなど、かなり有意義なものでした。

 詳細については、追々お知らせすることにして、今後の参考に供したいと準備しています。

 


高裁勝訴の判決(7)

2007-04-14 09:02:29 | 臨床検査技師の業務

Photo_2 ? 桜井よしこ氏のレポート(週刊誌)
       
「文部科学省の凄まじい押し付け」

文部科学省の意図的な「議事録隠し」と、「議事録や提言の押し付け」を図った文科省官僚の、明らかな誘導は、高裁判決のなかでも、一審をさらに補強したものとなりました。

 ジャーナリストの桜井よしこ氏は、03年4月17日の週刊新潮(写真)に、“短期集中連載・教育がおかしい!”・日本ルネッサンス拡大版・『秘密議事録が暴く・「文科省」大学支配の実態』のなかで、文科省側の凄まじい押し付けのあったことをレポートしています。文科省の上告断念は、至極当然の帰結ではありますが、高裁で一応の決着はみたものの、当時の文科省官僚が作成した虚偽の政府答弁書は、そのままでは済まされません。また、「やらせ」や「隠蔽」工作のあったことを高裁が認めている以上、謝罪と反省がなされない限り、この種の不正が再発しない保証はありません。

 同時に、高裁においても、政府答弁書は虚偽であることが明らかになった以上、訂正がなされない限り、「真の決着」がついたといえないことは明白です。

(挿入した写真と、記事の引用については、桜井よしこ氏の許諾をいただきました)

今日はこれから東京・三田会館で講演です。17日は、2題目のCPCの講義。2コマ3時間。19日は、ブランチなどの問題で厚生労働省へ。今月は、新幹線を南北に8往復になります。 少し、忙しいです。


高裁勝訴判決(6)

2007-04-13 13:01:34 | 臨床検査技師の業務

              文部科学省が上告を断念!
 原告の全面勝訴が確定しました。 
 『国立大学医学部附属病院長会議ワーキンググループ議事録開示・国家賠償事件』で、原告の柴田洋一氏(元東大病院・輸血部長)が、東京高等裁判所にて、全面勝訴の判決がくだされ、被告である文部科学省が、上告するかどうか注目されていたところ、上告期限の11日24時までに、上告していないことが確認され、柴田元教授の全面勝訴が確定しました。
 しかしながら、国側は、国会で要求された政府答弁書で、議事録の原案作成に関わったことを否認し続けていますので、高裁の判決に背いたままになっているため、今後、文科省の政府答弁書の訂正と謝罪が残された課題となります。
 文科省は、相当な難色を示すことが予想されていますが、このことがなされて初めて、反省と教訓が生かされることになります。