新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

秋のスケッチ

2007-10-22 15:48:29 | 日記・エッセイ・コラム

Photo_10   SL D51「奧利根号」土日祝祭日に爆走! 

Photo_7  2階書斎から、下りは煙のサービス?

Photo_8  鳥の羽のような雲でした。

Photo_9  赤城山・デイ温泉を背景に、コスモスの群落。

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専門職の偽装労働の数々

2007-10-14 11:18:36 | 臨床検査技師の業務

     ブランチラボ・珍事件の続報(6)

  中央検査部のM部長教授も知らぬ間に、ブランチラボの契約が済んでいたという、しかもM部長は、その年の日本臨床病理学会の名誉ある学会長でした。 

 大学病院の使命は、大きく分けて「診療」「教育」「研究」の3つです。

 翌年、M部長の後を引き継いだT教授は、ある医療業界誌のコラムに「ある一芸」と題した次のような随筆を寄稿されました。

 「・・・・・昨年10月に、検体検査が外部委託になり、フィールドを失った。老眼鏡を求める日が真近にあることを承知している」

 高名な臨床病理学者である研究者にとって、「研究」と実験の場を失うことは、研究し実証するフィールドを奪われることであり、人の命を測る医学検査に従事する、臨床検査技師の病院実習「教育」の場をも奪うことにもなります。

 もう、研究論文や書籍に目を通す以外、研究のすべがなくなった、老眼鏡を、・・・・・。なんと悲しい、無念さの滲んだ一言と、胸が熱くなりました。

 ブランチラボとは、検体を商品とする商売です。利益優先第一主義ですから、奇麗事ではすまされません。

  臨床病理医も含めて、技師側の職能団体も、ブランチラボの弊害については、批判もなければ、対応方針もなく、見解すら示していません。

 僅かに、ブランチ会社と共存共栄という、具体策のない抽象的な論調が垣間見えるだけ。

 「ブランチで働いている検査技師も、同じ仲間ではないか」と言う殺し文句で、講演会の討論を打ち切った司会者の臨床病理医、程なく退職したら某衛生検査所の席が待っていました。

 退職と同時に、ブランチラボの土産をもって、衛生検査所会社の支店長に就任した技師長もおいでになりました。


専門職の偽装労働の数々

2007-10-10 09:37:56 | 臨床検査技師の業務

        ある日、ブランチが突然やってくる!(5)

 およそ120ヶ所のブランチラボを実際に見聞して、ブランチラボを導入する契機は、大別して次のように集約できます。

 ・病院の新築・増改築・移転 

  ・大型検査機器の更新時期

 ・検査システムの構築に際して

 ・院長・事務部長の交代時期

 ・検査部長・検査技師長交代時期

 ・受託業者の、頭越しの激しい売り込み

 なかでも、受託業者の営業マンが、戦略的に病院トップに、ブランチラボを売り込むと、こんな珍事態まで引き起こします。

 かれこれ12年前になりますが、関西のH医科大学附属病院で、実際に公表された事実ですし、現場の技師のインタビューも行って確認した、本当にあった話しです。

 中央検査部長も知らぬ間に、ブランチ契約がなされていたことに、「なにごとか!」と怒り心頭も後の祭り。部長が気がついたときは、もう後戻りもできないところまで、行き着いていました。

 トップダウンのそのまたトップの仕業ですから、どうしようもありません。

           検査部長・怒りの記者会見

 業界新聞のインタビューに怒りをぶちまけました。

 ・臨床検査の本質が喪失する。

 ・病院検査室が、受注検査所に変貌する恐れがある。

 ・管理者である検査部長を飛び越えての入札契約が不透明

 ・検査現場の意向を無視して、事務系主導に怒りを覚える!

 ・検査部と事務系の対立助長の火種になる!

 それでも止むことなく、天下の大学病院検査部は、患者の命を測る検体検査部門を、民間業者に丸投げしてしまいました。

 波紋は、大きく広がりました。 


専門職の偽装労働の数々

2007-10-01 10:21:21 | 臨床検査技師の業務

       ブランチラボの偽装請負(4)

 官から民へ移行したとはいえ、数十年間にわたり「官」によって「過ちは犯さない」「瑕疵は犯さない」と鍛えられ、誇りにしてきた、独立行政法人機構国立病院の管理者が、いとも簡単に法を捻じ曲げ、嘘をついてまで、ブランチラボに狂奔する姿がここにあります。 

 病院管理者に対する検査室からの質問に寄せられた「珍回答」です。

 質「ブランチラボになると、検体検査管理加算が請求できなくなるので、病院の経済的損失が大きくなる」

 答「請求できるようにする」(保医発第0227003 通知違反) 

 質「請求できる、という根拠はなにか」

 答「月1回、精度管理の会議さえ開いていれば請求は可能だ」(厳格な規定がある)

 質「ブランチラボの検査要員に、病院側の指揮・命令権がないことは、管理上、問題にならないか」

 答「指揮・命令はできるようにする」(偽装請負に当る)

 質「ブランチラボでは、病院側が教育施設から預かった実習生は、受け入れられなくるのはずだ」

 答「受け入れられるようにする(教育実習病院として認可されない)

 質「ブランチラボにする目的は何か」

 答「検査要員の削減が必須の課題であり、独法本部の基本方針だ」

 このブランチを計画したのは正副院長と事務部長の3人で、ブランチ開設の日に、それぞれ退職・転勤し、誰も責任者がいなくなり、検体検査系の検査技師は、他院に配置転換、人員減のため休日夜間緊急検査の対応が困難になり、検体検査管理加算請求不可による損失は、年間数千万円に達しました。

 珍回答に反論できるだけの法律知識が不足していて、二の矢が出ないために、嘘と方便がまかり通ることになりました。

 一方管理者側は、ブランチラボの仕様書など一切なく契約し、すべて検査センターに「丸投げ」でした。

 この日限りでいなくなった管理者の1人が、こうつぶやいたと聞かされました。

 「独法本部が病院の敷地内にあるんだもの」ですって、・・・。

 かくして、お役人の、美味しい天下りポスト?独法機構とやらは、100機構にも達しているのが現実です。