新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

新型インフル「かわら版(6)

2009-12-24 11:45:40 | 健康・病気

      新型インフルの残したものは?
 パニック、そして物々しい空港検疫から始まって、パンデミックへ、枡添元厚労相の「国民の慢心が感染を拡大した」とか、変転するワクチン騒動などを経て、ようやく新発生が大幅に減少し、落ち着きを取り戻しつつあります。
 今月初めの1週間に、新たに受診したインフル患者数の推計では15.3万人が、前週の19.8万人へと大幅に減少。
 感染研の発表では、1週間に全国約5千の定点医療機関の報告では、患者数は15万3131人で、1機関当たり31.82人、前週(19万801人・39.63人)より大きく減少。
 また、これまで流行の中心であった5歳~9歳と10歳~14歳で、それぞれ前週から10万人超の大幅減少。
 7月上旬以降の累計患者数約1414万人のうち、約80%の1111万人が19歳以下だったという特徴が読み取れます。

       季節性インフルが僅かに2名
 
節性インフルと新型インフルの併行感染拡大が心配されましたが、季節性が僅かに2名。スペイン風邪、ソ連風邪、香港風邪などの流行時にも、交代現象がみられましたが、これは一体、どのようなメカニズムによるものか、専門家の解説を伺いたいものです。
 それにしても、手洗い消毒が徹底し、うがいが習慣化されたのか、百日咳や肺炎菌の感染者が、かなり減ったのも、衛生思想の普及をもたらしたパンでミックではありました。

 おまけに?ノロウイルス中毒が激減したのには驚いています。

 ワクチンの輸入も決定し、我が国総人口を上回る程の本数が確保され、いよいよ年明け、希望者全員を対象に接種も開始されようとしています。

 反面、タミフル耐性ウイルスも散発しています。 

 極寒期に向かうこれから、再感染拡大を懸念する専門家も少なくありません。   
 


新型インフル「かわら版」(5)

2009-12-13 11:41:57 | 健康・病気

新型インフル「かわら版」(5)Photo
       峠越えか?患者大幅減

 国立感染研の推計では、11月30日~12月6日の1週間、新型インフルに感染して病院を訪れた患者は150万人、前の週と比べると20%を下回りました。

 8月末、素人判断で10月末が感染のピーク?、その後は?と根拠の薄い予測を公言しました。

 最近、とくに大都市圏では大幅に減少しましたが地方都市では11月中旬に感染が拡大したものの、全国的には峠を越えた感はありそうです。 

 しかし厚労省は、これからの季節、大流行の危険性は去っていないと警告していますし、年明けには第2次大流行があると推測している専門家もいます。

 患者割合の傾向では、大半を占めていた5歳~19歳が減少する一方、0歳~4歳の乳幼児、29歳~30歳を中心として青年層の割合が増えているのも心配の種です。

             不顕性感染者が増加

  感染もしない、ワクチンもしない、比較的軽症で推移した、いわゆる不顕感染者も増えているのかなと、思わせる発表もありました。

 11日、大阪府立公衛研が次のように発表しました。

 茨木市内私立高校の集団感染で、生徒・教職員・生徒家族など647人の抗体検査を実施、PCRほ法で102人が感染者、そのうち特有な症状があったのは44人(44.9%)。18人(18.4%)はまったく症状なし。36人(36.7%)はインフル特有の症状まで至らない軽症だったとか。

 我が家のご近所や知り合いでも、孫が全員感染・発症しても、両親も祖父母も健在、不顕性感染しているのかなと推測しています。

 こんな調子で大流行が乗り切れれば、あやかりたいものよと、密かに思っています。

 


新型インフル「かわら版」(4)

2009-12-03 15:27:25 | 健康・病気

 新型インフル「かわら版」(4)
 ワクチン・副作用・脳症
Photo

 ワクチン供給をめぐる混乱は、なかなか収まる気配はありません。なかでも、大量供給を目指した10ml瓶、医療現場の使い勝手が悪いという理由で、24時間以内に使いきれず廃棄してしまうなど、今かいまかと待っている母親たちの思いを逆撫でしています。

  10ml瓶は、小児50人分に相当、しかも24時間以内に使い切らなければなりません。

 50人の接種は、一般診療に支障をきたす数です。

  副作用で死亡、31人

 また、ワクチンの副作用報告は、1096人、重い副作用は110人、このうち死亡は31人、胎児死亡の報告が1例ありましたが、ワクチン接種との関連性は、ないとのこと。

 異常行動、151件

 一方、インフルエンザ患者による、飛び降りなどの異常行動が、この3ヶ月間で全国から151件の報告があったと、厚労省研究班のまとめで判明しました。

 1歳から17歳、タミフル投与の有無にかかわらず、また、ほとんどが新型インフルで、その8割近くが発熱から2日以内に発生したとみられています。

 151人の内訳は、タミフル服用26人(17%)、36 人がリレンザ服用(24%)。どちらも服用していないが 16人(10%)。残りは不明となっています。

 飛び降り、走り出し、うわごと、などなどが10代以下の若年層に集中。厚労省は、タミフルの投与の有無にかかわらず、2日間は患者から目を離さないよう注意を促しています。

 インフルエンザ脳症は、3ヶ月間で、28都道府県で132例あったことが、国立感染症研究所のまとめでわかりました。

 その大半が15歳未満で、最も多いのは7歳の22例でした。