新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

新型インフル「かわら版」(8)

2010-01-15 20:47:14 | 健康・病気

        季節性インフル、なぜ潜んだの?

 毎年12月ともなれば、Aソ連型かA香港型インフルエンザの流行期に入るのですが、10月頃にA香港型が1件報告されたきり、それ以降現在まで、どちらの型もゼロ。そこに同じA型の豚インフルエンザが大流行したわけですが、世界的にも、日本と同じ状況だそうです。

 まったく新たなインフルエンザウイルスが現れたことによって、とって代わった現象は過去に何度も繰り返されてきました。

 1918年のスペイン風邪が永年続いたのが、1957年のアジア風邪の流行で新しいウイルスに置き換えられたように、しかも、これも1968年のA香港型が淘汰され、代わり1977年以降は、Aソ連型が加わった、このメカニズム、いまだに分かっていないようです。

 しかし、「淘汰説をとるのは、まだ早い」、とする専門家もいます。

 いずれにしても、毎年春には次期ワクチンの構成を決めて製造に取り掛かる時期が迫っていますが、どの様な構成にするのでしょうか、悩ましい問題のようです。


新型インフル「かわら版」(7)

2010-01-07 11:19:10 | 健康・病気

         ワクチン接種後のトリガーは?
 新型インフル予防接種後副反応検討会など合同会議の発表によると、12月初旬で、新型インフルワクチン接種者は932万2500人、そのうち、副反応の報告数は1.538例(0.02%)、うち重篤の副反応は199例(0.002%)、死亡報告数70例(0.0008%)。接種後の死亡例の大半は、高齢かつ基礎疾患を有する人、と報じています。
  専門家は、いまのところ、「現時点では、なにがトリガー(基礎疾患を持つ人の状態が悪化する要因)になるのか、医学的にも、その材料をもっていないが、『重大な事例が起きている』という判断には至らないとか。

 それでも、接種によるリスクと、接種しないで罹患した場合の重症化のリスクを天秤にかけたとき、「後者が勝る」ことは間違いないようだと語っています。

          フランスでは、ワクチン持て余し 

 パリ時事の伝えるところによると、フランス政府が、新型インフル対策でワクチンを輸入した9.400万回分、実際に接種を受けたのは僅かに500万人のみで『見込みの20分の1』で重大な判断ミスと、与野党からの批判が噴出していようですが、WHOが「1回接種で十分」と勧告したことで、計算が狂ったことも一因のようです。

  発注した半分余りを取り消す一方、すでに購入した分の一部を、中東のカタールなどへ転売したとか。

  新型インフルの『未知との遭遇』は、今後も波紋を広げそうです。