新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

厚労省との意見交換と要望(12)

2010-09-24 10:30:31 | 臨床検査技師の業務

    帝京大病院院内感染問題

      警察捜査に抗議集中

 帝京大病院・多剤耐性アシネドバクターの院内感染問題で、いち早く警察の捜査が入ったことについて、各方面から抗議の声明がだされています。

 9月10日、日本医師会、同じく全国医師連盟、同じく、日本病院団体協議会、14日には、全国医学部長病院長会議が続いています。

 日医は「調査結果を待たずに警察が捜査を開始することに関して、厳重な抗議の意を表明する」というものです。

 おりしも、福岡高裁で逆転無罪判決がだされた看護師の「爪切り」問題。

 担当弁護士は「上田看護師の行為で刑事事件が成立するなら、医療従事者は安心して仕事に取り組めない」と。

 3か月以上の拘置から解放されました。

 また、今後「福島大野病院産科事件以来」と云うように「帝京大病院事件以来」などと引用されることを危惧する意見が続々と寄せられています。

 大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠滅事件などをついつい、思いを巡らしてしまいます。

 いずれにしても、臨床検査技師は、院内感染防止の第一線で活躍する専門職能集団です。

 コツコツと、地道なリサーチを続けることです。

 


厚労省との意見交換と要望(11)

2010-09-13 09:16:24 | 臨床検査技師の業務

        「特定看護師」問題

     放射線技師会が問題点を指摘

 9月6日、日本放射線技師会は「特定看護師」問題で、次のような公式見解を発表しました。

 「特定看護師」にどのような医療行為について業務拡大をするか、厚労省の業務実態調査は、「医師・看護師」のみに集中し、他の多くの医療関係職種にも影響が大きいにもかかわらず、聞き取り調査などの対象外で、その取り扱いが、明確になっていない」と指摘しています。

 さらに、実態調査の回答欄に、「医師が実施すべき」「看護師が実施可能」などとなっており、「他職種により実施が適当」などの回答を求めるべきだ、とも指摘しています。

  われわれ「臨床検査問題対策WG」としても、昨年に引き続き、今年も厚労省に対して「臨床検査技師」の業務範囲の拡大について、具体的に要望を提出してきました。

        多剤耐性アシネドバクターは事件?

 ましてや、専門領域である、今回の多剤耐性細菌アシネドバクターの院内感染問題などなど、喫緊な課題であり、氷山の一角かもしれない、今後未知の事態が発生することも予測されています。

  但し、この多剤耐性アシネドバクターで云えば,もともと抗薬剤性が強いうえに、通常、人に危害を与えるほどの毒性もなく、どこにもいます。もちろん、がん末期の患者や、免疫力の低下した高齢者には、通常普段の注意は必要ではありましょう。 

 アシネドバクターについて「100歳の老人がナイフを持ってただ座っているだけ」という専門家もいますし、なんで警察が病院に入ってまで捜査をするのか、不可解で不思議だと云う専門家もいます。 

 こう云ったことも含めて、専門職能団体としても、大いに啓蒙や意見・要望と具体的な提案を発して、専門性を発揮すべき時ではないでしょうか。