新・臨床検査の光と影

人の命を測る臨床検査に光を!

診療報酬改定 告示(続)

2010-03-20 09:51:22 | 医学検査の下請け問題

     検体検査の実施料の適正化について 

    止まらない、ダンピングシンドローム

 告示(抜粋)『検体検査の実施料については、診療報酬改定時に衛生検査所等調査による実勢価格に基づいてその見直しを行ってきたところであるが、これまでと同様な見直しを行う。

 衛生検査所等調査により得られた検体検査実施料における実勢価格に基づき、保険償還価格と実勢価格の乖離が大きい検査について検査実施料の適正化を実施する。

 なお、検査が包括されている各項目についても、これに伴い点数の見直しを行う。』

    相互の首の絞め合いを断つのは、だれ!

 病院の下請契約担当者は、低価格ほど手腕を評価されます。下請衛生検査所の契約担当者は、他社に負けないダンピング競争(低価格)で契約をとって「なんぼ」のものが仕事です。

 厚労省は、これを実勢価格として抑える『適正化』の名の下、永遠に検体検査の診療報酬を引き下げる口実を持ち続けることができます。

 この仕組みによって、検体検査による病院収入は、ますますスパイラル・シンドロームにはまり、衛生検査所も、ダンピング低空飛行は留まることなく続き、ともに抜け出せないことになります。 

 こうして、1日何万検体、何十万検体を一斉処理する下請大会社と、患者の容態変化をみながら、1件2件と丁寧に検査する病院検査室の検体検査料が、同じ『ランニングコスト』と見なされて引き下げられる、この理不尽さ。

 一体、誰がこの悪循環を断つのでしょうか?

 


診療報酬改定 告示

2010-03-14 10:43:57 | 医学検査の下請け問題

   検体検査の評価の充実について(概要)
 
厚生労働省保健局長発、地方厚生(支)局長・都道府県知事宛、3月5日付「平成22年度診療報酬改定について」、告示がだされました。
      
検体検査の評価の充実について
  検体検査管理加算(Ⅳ)が新たに加わりました。
 現行検体検査管理加算Ⅰ 40点
    検体検査管理加算Ⅱ100点
    検体検査管理加算Ⅲ300点 以上の3件については現行通り、新たに、
    
検体検査管理加算Ⅳ500点 が新設されました。
 条件としては、検体検査に直接(常勤)かかわる、臨床検査技師10名以上(現行Ⅲでは4名以上)、これにより、大規模施設のみの適用となりそうです。
     
検体検査実施料の見直し
 人手のかかる検査等の評価(医療技術評価分科会)
 細菌培養同定検査など約20項目の点数が引き上げられ(見直し)ました。
     
外来迅速検体検査加算引き上げ
 外来受診中に結果が判明し治療方針へ反映される迅速検査の評価として
   
外来迅速検体検査加算(5件まで)
      5点 ⇒ 10点

 その他、生化学的検体検査の「包括」については、かなり引き下げられました。


新型インフル『かわら版」(終)

2010-03-13 10:07:32 | 健康・病気

    新型インフル・WHO「峠を越えた」?

 国立感染症研究所、12日発表によると、7日までの1週間、全国5千の定点医療機関からの報告で、1医療機関当りの患者数は、7カ月ぶりに初めて、0.77に減少したことを明らかにしました。

 長妻厚労相は記者会見で「第2波が来ないとは断言できない」と話し、調査継続を示唆しました。

 WHOは、警戒水準を引き下げるかどうかの検討に入った模様です。

       余ったワクチン「どうしてくれる」? 

 一方、余ったワクチンの処理、有効期限切れを迎え、医療機関の財政負担が大きな問題になっています。

 最大流行期の10月に医療関係者にワクチン接種を開始するとともに、接種希望者の予約をとり、いざ接種となった2月下旬から3月上旬に感染者数が減少、ワクチン接種を止めたり控えたりしたことと、複数の医療機関にダブル予約したことなどが原因とみられます。

 大阪府だけでも、過剰在庫は26万回分、約3億8000万円相当。

 国が買い取ってくれなければ、医療機関の損失となります。とすれば、つぎの流行期に、リスクを恐れてワクチン在庫を極力抑え、買い控える事態が予想されます。

 はてさて、どうなるのでしょうか?