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五線譜と四線譜

2015年11月12日 17時40分25秒 | キリシタン

五線譜と四線譜

音楽の楽譜なんて五線譜が当たり前だろうと思っていた。
先日の研究会で四線譜の実物を見せてもらいびっくり。
ミサ典礼書の中では四線譜で表現してあった。






楽譜について少し調べてみた。

楽譜の原典らしきものは紀元前2世紀頃から存在していたらしい。

ただ実際は聖歌の歌い方などは完全に口承で修道院の中で伝承されていたそうだ。

その後、9世紀にヨーロッパに「ネウマ譜」なるものが出現。
これはキリスト教ローマ典礼書で用いられるグレゴリア聖歌のためのもので、旋律の動きや演奏上のニュアンスなどを視覚的に伝えようとしたもの。

初期は、旋律の上行、下行の動きを線の上下で図示するだけのもの。
左から右へ、旋律の上行、下行の動きをネウマと呼ばれる線状の記号(にょろにょろとした線)で表記するだけのもので、音の絶対的な高さや音程をキチンと正確に表すものではなかったらしい。
しかも、このネウマ譜では、旋律や音程はある程度が分かるものの、リズムについては全く分からない代物。

その後、現代に通じる同じ高さの音を同じ線上に揃えて表記する方法が一般的になり、1025年頃 イタリアの修道士であり音楽教師であるグイード・ダレッツという人が、4本線の上に四角い音符を書くという現在の表記法の原型を考案したらしい。 いわゆる四線譜である。




このグイード・ダレッツという人、「ドレミファソ」(当時はウトゥレミファソラだったらしいが)を考案した人でもあるらしい。 偉い!




楽譜の線が5本に落ち着いたのは17世紀に入ってからのこと。

それまでは、教会の聖歌隊では音域が1オクターブした使わないので4本楽譜。 逆に音域の広い鍵盤楽器では6本あるいは7本、8本となっていたようだが、イタリアのオペラ界で楽譜を統一して煩雑さをなくそうという動きが出てきた。この5本という数は人間が識別しやすく、かつさまざまな音楽を表記するのには最も適した表記方法ということでイタリアから世界に五線譜が広まっていったようだ。

(ちなみに、グレゴリア聖歌とは、教皇グレゴリウス1世(590~604在位)の頃に集大成されたとされ、ラテン語からなら単旋律の聖歌(単声聖歌)で、中世音楽の主流となる。そしてルネッサンス以降になって複数の声部からなら音楽、多声音楽が普及する。)


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