明日の風に吹かれて

日々の感じることを感じるままを綴っていきます。 明日が佳き日になりますように。

千家歴代と樂歴代の茶道具 湯木美術館

2015年01月31日 17時53分04秒 | お茶
湯木美術館 平成27年 春季展

千家歴代と樂歴代の茶道具 利休のデザインと展開

いつもながらの小さな展示だけれどもなかなか秀悦だった。

•瓢花入 利休作
いきなり利休作。 瓢箪の上部を切り取り花入にしたもの。口縁を除いて全体的に厚めに漆が施されているが、妙にエキゾチックなものを感じた。

•真手桶 関宗長作 千家伝来
宗長は宗旦時代に活躍し、宗旦の好み物を多数製作したことで知られるが、これは利休が記三に作らせた真手桶とほぼ同形とのこと。黒漆の質感が素晴らしい。

•阿弥陀堂釜 与次郎作 利休所持
利休以前は芦屋釜、天目釜が主に用いられていたが、利休以降京釜が主流となる。この釜は利休が「地はくわつくわつとあらし候へ」と指示とのことで、荒れて巣穴が散見される肌など、荒々しく処理された肌はなるほどの感。

•黒筒茶碗 銘「キリキリス」 長次郎作
長次郎の中でもやや特異な筒茶碗ということだが、確かに厚造りなのが気になった。独特のヘラ目。
「キリキリス」とは虫のキリギリスではなく、静かな佇まいとのこと。



•赤茶碗 銘「三井寺」 道入作
割れがあることから弁慶の故事にならい銘を「三井寺」にしたとか。
器胎を薄くし、大きく張らせ光沢のある釉薬。
道入は、宗旦作から贈られた竹二重切花入銘「のんこう」を大切にしていたからとも言われているが、墨書きに確かに「のんかう」と書かれているのを見ると微笑んでしまう。




•黒平茶碗 一入作
平茶碗だが、胴ヘラが引き締まった印象を与える。黒色の釉薬の中に朱釉がかかり、なかなかいい雰囲気。好きだ。

•黒筒茶碗 銘「シヤカカシラ」 覚々斉宗佐作
表千家六代の宗佐の作。筒茶碗だが、厚味があってムラがあって波打つ。形としても若干斜めっぽいような... 口も小ぶりでメチャ扱いにくそう。でも見事な黒釉薬。

•黒大棗 山科宗甫在判
利休好みの黒大棗を模して作られたものこと。「利休好みとはこれなんか」とシミジミ。

•茶杓 銘「ゆつり葉」 仙叟宗室作
宗旦四男 裏千家を創始した宗室の作なる茶杓。部分的に染みのある白竹を使って細身で薄造り。全体に透明漆が拭かれていて端正でいい。
筒も竹皮が全て削られている。

•織部花筏文向付 了入作
織部向付の写しだが、了入はこんなものにも挑戦していたのかとちょっと新鮮。織部特有の緑の発色がより鮮やかな仕上がり。

•椰子型菓子器 慶入作
千家伝来の椰子の実の菓子器を模したもので、地肌のザラザラ感が面白い。

•竹一重切花入 銘「白雪」 千宗旦作
銘「白雪」とはちょっと違う質感。表面がザラザラしたねじれた竹。しかも意外と太くてごつい感じ。力強いというべきなのか?

•その他
啐啄斎宗左、玄々斎宗室、了々斉宗左の書も見事。

展示の副題の「利休のデザインと展開」までは読み取れなかったが...
でも満足。



http://www.yuki-museum.or.jp/exhibition/


俺達スターなんだから...

2015年01月31日 15時30分10秒 | 役者

今日の役者のレッスンで先生が

「主役かエキストラかであるかは関係ない。君達は女優なんだから」と。

「俺達はスターだと思っていることが大切だ」と。

「自分で負け犬根性を身につけるな」と。


「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の世界文化遺産への推薦  その光と影

2015年01月30日 15時34分48秒 | キリシタン
先の16日の閣議で「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を世界文化遺産としてユネスコに推薦することが決まった。

もう長い活動が続いていただけに、前年に軍艦島・八幡製鉄所など「明治日本の産業革命遺産」が優先されて推薦された時にはがっくりきたが、まあ良かった。


ただ、今回登録されるのは「大浦天主堂と関連施設」他の13施設



隠れキリシタンの関連を含めて長崎県、熊本県内には実に多くの教会と歴史の足跡が残されている。

今回の推薦枠には入ってない地元の人に聞いてみると「基本的には嬉しいが、同じキリシタンの血の流れる者としてはちょっと複雑」というのが正直なところなようだ。
難しい問題だ。


「推薦枠に入る、入らない」の一つの判断要素が、対象施設に人口の手が加わったかどうかにあると聞く。

自分達の教会、施設を大切に思い、いろいろな形で手を入れて維持してきた結果が、逆に推薦対象から外すことになったのだとしたら、それは皮肉なことだ。本当にそうなんだろうか...


確かに、ドロ神父と地元の人達の手作りの「大野教会堂」 自然石を用いた「ドロ壁」で有名だが、今は信者の減少とかもあって日常的には使用されず、ほぼ放置された状態になっているとも聞く。





一方で「島原・天草の乱」の最後の舞台となり、天草四朗他籠城した全員(正確には1名を除き)が惨殺された舞台の「原城」なんかは県の土木工事でどんどん手を加えられているように思えるが...






何が推薦枠に含める、含めないの判断基準になったんだろうか?


丁度今年は長崎の人々のために働いたドロ神父の帰天100年。





蛇足
推薦枠の一つである「五輪(ごりん)教会」は、歌手の五輪真弓さんのお父さんの出身地であり、お父さんはここでオルガンを弾いておられたそうだ。この五輪教会にも明治初期のキリシタン弾圧の歴史が残る。


文化庁発表資料
http://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2015/01/1421370039.pdf

長崎県資料
https://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/assets/
https://www.pref.nagasaki.jp/s_isan/file/01pamphlet_japanese.pdf