湯木美術館 平成27年 春季展
「千家歴代と樂歴代の茶道具 利休のデザインと展開」
いつもながらの小さな展示だけれどもなかなか秀悦だった。
•瓢花入 利休作
いきなり利休作。 瓢箪の上部を切り取り花入にしたもの。口縁を除いて全体的に厚めに漆が施されているが、妙にエキゾチックなものを感じた。
•真手桶 関宗長作 千家伝来
宗長は宗旦時代に活躍し、宗旦の好み物を多数製作したことで知られるが、これは利休が記三に作らせた真手桶とほぼ同形とのこと。黒漆の質感が素晴らしい。
•阿弥陀堂釜 与次郎作 利休所持
利休以前は芦屋釜、天目釜が主に用いられていたが、利休以降京釜が主流となる。この釜は利休が「地はくわつくわつとあらし候へ」と指示とのことで、荒れて巣穴が散見される肌など、荒々しく処理された肌はなるほどの感。
•黒筒茶碗 銘「キリキリス」 長次郎作
長次郎の中でもやや特異な筒茶碗ということだが、確かに厚造りなのが気になった。独特のヘラ目。
「キリキリス」とは虫のキリギリスではなく、静かな佇まいとのこと。
•赤茶碗 銘「三井寺」 道入作
割れがあることから弁慶の故事にならい銘を「三井寺」にしたとか。
器胎を薄くし、大きく張らせ光沢のある釉薬。
道入は、宗旦作から贈られた竹二重切花入銘「のんこう」を大切にしていたからとも言われているが、墨書きに確かに「のんかう」と書かれているのを見ると微笑んでしまう。
•黒平茶碗 一入作
平茶碗だが、胴ヘラが引き締まった印象を与える。黒色の釉薬の中に朱釉がかかり、なかなかいい雰囲気。好きだ。
•黒筒茶碗 銘「シヤカカシラ」 覚々斉宗佐作
表千家六代の宗佐の作。筒茶碗だが、厚味があってムラがあって波打つ。形としても若干斜めっぽいような... 口も小ぶりでメチャ扱いにくそう。でも見事な黒釉薬。
•黒大棗 山科宗甫在判
利休好みの黒大棗を模して作られたものこと。「利休好みとはこれなんか」とシミジミ。
•茶杓 銘「ゆつり葉」 仙叟宗室作
宗旦四男 裏千家を創始した宗室の作なる茶杓。部分的に染みのある白竹を使って細身で薄造り。全体に透明漆が拭かれていて端正でいい。
筒も竹皮が全て削られている。
•織部花筏文向付 了入作
織部向付の写しだが、了入はこんなものにも挑戦していたのかとちょっと新鮮。織部特有の緑の発色がより鮮やかな仕上がり。
•椰子型菓子器 慶入作
千家伝来の椰子の実の菓子器を模したもので、地肌のザラザラ感が面白い。
•竹一重切花入 銘「白雪」 千宗旦作
銘「白雪」とはちょっと違う質感。表面がザラザラしたねじれた竹。しかも意外と太くてごつい感じ。力強いというべきなのか?
•その他
啐啄斎宗左、玄々斎宗室、了々斉宗左の書も見事。
展示の副題の「利休のデザインと展開」までは読み取れなかったが...
でも満足。
http://www.yuki-museum.or.jp/exhibition/
「千家歴代と樂歴代の茶道具 利休のデザインと展開」
いつもながらの小さな展示だけれどもなかなか秀悦だった。
•瓢花入 利休作
いきなり利休作。 瓢箪の上部を切り取り花入にしたもの。口縁を除いて全体的に厚めに漆が施されているが、妙にエキゾチックなものを感じた。
•真手桶 関宗長作 千家伝来
宗長は宗旦時代に活躍し、宗旦の好み物を多数製作したことで知られるが、これは利休が記三に作らせた真手桶とほぼ同形とのこと。黒漆の質感が素晴らしい。
•阿弥陀堂釜 与次郎作 利休所持
利休以前は芦屋釜、天目釜が主に用いられていたが、利休以降京釜が主流となる。この釜は利休が「地はくわつくわつとあらし候へ」と指示とのことで、荒れて巣穴が散見される肌など、荒々しく処理された肌はなるほどの感。
•黒筒茶碗 銘「キリキリス」 長次郎作
長次郎の中でもやや特異な筒茶碗ということだが、確かに厚造りなのが気になった。独特のヘラ目。
「キリキリス」とは虫のキリギリスではなく、静かな佇まいとのこと。
•赤茶碗 銘「三井寺」 道入作
割れがあることから弁慶の故事にならい銘を「三井寺」にしたとか。
器胎を薄くし、大きく張らせ光沢のある釉薬。
道入は、宗旦作から贈られた竹二重切花入銘「のんこう」を大切にしていたからとも言われているが、墨書きに確かに「のんかう」と書かれているのを見ると微笑んでしまう。
•黒平茶碗 一入作
平茶碗だが、胴ヘラが引き締まった印象を与える。黒色の釉薬の中に朱釉がかかり、なかなかいい雰囲気。好きだ。
•黒筒茶碗 銘「シヤカカシラ」 覚々斉宗佐作
表千家六代の宗佐の作。筒茶碗だが、厚味があってムラがあって波打つ。形としても若干斜めっぽいような... 口も小ぶりでメチャ扱いにくそう。でも見事な黒釉薬。
•黒大棗 山科宗甫在判
利休好みの黒大棗を模して作られたものこと。「利休好みとはこれなんか」とシミジミ。
•茶杓 銘「ゆつり葉」 仙叟宗室作
宗旦四男 裏千家を創始した宗室の作なる茶杓。部分的に染みのある白竹を使って細身で薄造り。全体に透明漆が拭かれていて端正でいい。
筒も竹皮が全て削られている。
•織部花筏文向付 了入作
織部向付の写しだが、了入はこんなものにも挑戦していたのかとちょっと新鮮。織部特有の緑の発色がより鮮やかな仕上がり。
•椰子型菓子器 慶入作
千家伝来の椰子の実の菓子器を模したもので、地肌のザラザラ感が面白い。
•竹一重切花入 銘「白雪」 千宗旦作
銘「白雪」とはちょっと違う質感。表面がザラザラしたねじれた竹。しかも意外と太くてごつい感じ。力強いというべきなのか?
•その他
啐啄斎宗左、玄々斎宗室、了々斉宗左の書も見事。
展示の副題の「利休のデザインと展開」までは読み取れなかったが...
でも満足。
http://www.yuki-museum.or.jp/exhibition/