くりの毛穴の拡大図

くりの中にて鳴る音あり。

犯罪ロマンス

2009-11-28 | 日記
エンタメ三昧です。日々のアレに対し、心の均衡を何とか保つために。

フィルメックス関係で7本観ました。半分は韓国。どれもこれも面白かったー。
中でも一番すばらしかったのはイランのバフマンゴバディ監督(『酔っぱらった馬の時間』大好き!)の『ペルシャ猫を誰も知らない』コレが文句なくとにかく素晴らしい!男女2人のミュージシャンが主人公という、今までのイラン映画のイメージとは全く違う感じなのもびっくり。ポップミュージックを公の場で演奏することさえも難しいイスラムの国で、音楽をやり、海外でのライブを夢見ているミュージシャン達がいるんだというのは、何の気無しに同じ感覚で音楽を聴いてるつもりになってる自分にとって、ガツーンと目を覚めせられたし、同時に音楽というのはやっぱり共通のモノだというのも感じられて(アイスランドでシガーロスを観るのが夢って!)すごく嬉しくなっちゃった。中で流れる映像もかっこいいしPVみたいでいい曲がいっぱい。「世界は完璧じゃない」にグッと来つつも、これが今のテヘランの現実で、監督もビザがおりなくて来日できず、しかもイランにも帰れなくなってしまったというメッセージに何ともいえないモヤモヤしたきもちでいっぱいになりました。日本っていう国を、全く違う国を通して「想う」という不思議。そしてこんなにも困難な中、それでも笑いを忘れないゴバディ監督の作品にすっかり心奪われた訳でございます。てか音楽好きは観なきゃだめ 来年公開が決まっている『フローズンリバー』も良かった。母強し。『悲しみのミルク』は、どっちかというと「悲しみのポテト」じゃね?て想ってたら、スペイン語原題の直訳は「怯える乳」とのこと。なるほどー。
韓国は4本。『亀、走る』が特に面白かった~!「チェイサー」で熱演のキムユンソクがまた刑事。ダメ親父っぷりがサイコー。楽しみだった『執行者』は大好きなチョジェヒョンさんが主役を熱演。やっぱりちょっと狂ってて、でも愛らしいという役をやらせたらタマらん方ですね。あとはミーハーだけど好きなお顔なのです 西島君が死刑囚の役をやった「休暇」とテーマがモロかぶっていて、韓国人と日本人の明らかな違いみたいなものが如実に出てました。『息もできない』は監督が主役もやってたなんてびっくり。私が想う正にこれぞ韓国映画っていう作品。暴力描写とかハンパないし、家族モノはウマいなぁーと思う。こういう映画がヒットする韓国って、やっぱすごくいいなぁ~。『バンドゥビ』バングラデッシュからの移民労働者と韓国の女子高生の物語。いろんな社会問題が含んでいるけどとてもあたたかいステキな作品。ラストのミンソの笑顔に救われました。

演劇は生風間さんを観たいと思ってTHEガジラの『大人の時間』を。やっぱり風間杜夫さんと有薗芳記さんがむちゃくちゃスバラシカッタです。瀬川先生(風間さん)がキレるとこがもうなんていうかうますぎて面白い!有薗さんといえば、私の中では断然「逆噴射家族」のお兄さん役なんだけど、今回のキリヤマも同じ匂いのする役だったので観ながらウキウキしちゃいました。先日観た「錦繍」にも出てた梅沢昌代さんや、3回も観た「旅とあいつとお姫さま」に出てた高田恵篤さんも出演されててびっくり。短い期間でいろんな作品に立て続けに出てる方の頭の中ってどうなってるんでしょ。すごすぎる。

ライブは2本。クアトロでMAEとOWLCITYを。MAEは初来日以来に久々に観たけど、1stしか知らないのでほぼ初めて観た様な感覚。新しいアルバムの曲とかなんか、客がキョトンとしてる感じが何度かしたけど気のせいでしょうか。OWLCITYはすごく期待してたのに、声も曲もものすごくふつーでした。緊張しているのか歌っていても目も合わさずに終わったらとっとと帰ってしまった感じ。あと写真と顔が全然違うー(笑)てかなんかイマイチ乗り切れないこの感じは、MUTEMATHを観た後だからか?もしかして今後はどのバンド観ても「ふつーじゃね?」とかって感じてしまうんではないかしら...とちょっと恐怖 ヒカシュー&メテオールは浅草クラウッドにて。メテオールってば強烈にものすごく苦手系。てかヒカシューの対バンで初めて観る時に好きなバンドがいたことがほとんどない。評判が良い相対性理論も、先日のジューシーハーフも全然好きじゃなかったしなー。好みが違うっぽいのが残念です。ヒカシューは大好きな「入念」が早めに聴けて嬉しかったし、清水さんがしゃべったのが印象的。てかわかんなくてもできちゃうってスゴ~イ!新曲とかもね。でもなんか様子がいつもと違うと思ったら、そんなことがあったとは...。それでもアンコール2回聴かせていただきました。

貫井徳郎『夜想』面白くて一気に読了。

てかmutemathのdvd、もう観始めたら止まらないわけで

IF YOU SAY GOODBYE♪

2009-11-21 | 日記
やっぱりMUTEMATHがサイコーすぎる件

そんな訳で3公演観てきました。全公演観たいのはヤマヤマだったけど、大阪は仕事の関係で諦め、でも初日の名古屋はどうしても観たくて、ついでに京都で紅葉も観たいなーと3時間位の束の間だったけどプチ観光もしてきました。秋の京都はアガりますねーキレイでした。

で、名古屋。東京公演がSOLDOUTする位の海外バンドをゆったり観るには名古屋に限る!当初クアトロだったハコがダイヤモンドホールになって、中に入った時は人が少なめだったのでちょっと心配だったけどスタート時にはいい感じに入って、しかもなんかすごくイイ雰囲気。ワンマンでは初のツアーで、ステージと観客の感じがこんなにイイ感じなんて~~~と観てる時ずっと幸せな気持ちになったとってもいいライブでした。ダレン側にいたからかもうダレンしか目に入らない位釘づけ。あのドラマーっぷりは、去年にサマソニで観た時から更にグレードアップしておりまして、ゾクゾクしました。あんなに魅せるドラマーはいませんねーホントにものすごい!照明も名古屋の時が一番良くて、ダレンが水しぶきを上げながら叩くトコとか、東京公演では明るい照明が付いててよく見えなくてもったいないなーと思ったけど、名古屋の時は、水しぶきが映える照明だったり、他にも曲に合ってるトコがすごく良かった。EASTもDUOもむやみに明るかったような。もちろんポールもかっこよかった~!keybordに倒立したり、例のスッゲーかっこいい体制で上から降りてくるのとか、キタァーーーて客席ドヨめいてたもん。セットリストは1stと2ndから半々位で、何から何までサイコーでした。
東京ではRemy ZeroというバンドのvoのCinjin Tateという方が前座で。私は全然聴いたことなかったんだけどすごく好きな声とメロディでとっても気に入りました。ちょっとスターセイラーみたいな哀愁ある感じと、PEALOUTの初期の英詞の頃の曲に似てる曲があってMYツボでした。アルバム聴いてみたいなぁ。gの方(voのお兄さん)のMCがとても流暢な日本語(しかも関西弁)だったのでそれがすごく面白くて楽しかったです。で、メインのMUTEMATHですが、やっぱりスバラシカッターEASTはまたまたダレン側で観ましたが、ダレンはもちろんだけど、この日のロイはかっこよすぎ!ベースうますぎだっつー話。何か妙にセクシーで、ダレンとの音の絡みでリズム隊のスバラシサ全開でした。このバンドの各個人の個性がそれぞれハンパないわけで。各々のそれぞれを観るたびに、スゲーーーと口半開きな私でした。何気にそれぞれのコーラスも素敵なんですよね。あー見どころが多すぎるってば
追加公演のduoはダレン側が妙に込み合っているのでポール&グレッグ側で。ポールかっこいい!かっこよすぎリズムの取り方がものすごくかっこいいんだよねー。名古屋の時より声の調子が良さそうでした。4人ともファッション面でもとても素敵なんだけど、特に今日のポールは、上着脱いだらフリルシャツ!キャー。私の萌えアイテムなんだもんー名古屋のダレンのチェックシャツも好き。duoの客層が一番良くなかったけど、ツア-ファイナル燃えつきまして大満足でした。また来て欲しいなぁー。てか向こうに観に行きたい位。duoはもういいから(柱が嫌すぎる)クアトロ2daysとかリキッドで観たいです。

で、元々大好きだったGOODBYEとELECTRIFYが更に好きになってずっとぐるぐる廻っていて鼻唄しています。MUTEMATHってライブバンドだなーと思うけど、ライブ観て2nd聴くと観る前よりすごく良く感じるのが実はスゴイことかもと改めて思ってます。この音源のテンションの絶妙さ加減は完璧かと

music*もちろんMUTEMATH"ARMISTICE"

カンガエヲ、フカメナイ♪

2009-11-07 | 日記
バービーボーイズの、今年2月にやったライブのDVDが出たので観てますが、想像以上にイイ!観に行ったけど、なんかモットずっとイイ!カッコよすぎて震えますわー

さて、エンタメ振返ります。

ものすごーく面白かったのが、いとうせいこうさんと作家の奥泉光さんの文芸漫談。しかもテーマが安部公房『砂の女』!キャー安部様!たまたま図書館でチラシを見つけて、初めて文芸漫談ってのを知り無事行くことができたのだけど、こんなに人気の講演だなんて知りませんでした。満席状態。今回の『砂の女』は、本はもちろん映画も何度も観ているので内容が細かく頭に入っているからか、文庫片手に何ページとか説明してくれるんだけど持参してなくてもすぐに自分に入ってきて、しかもいとうせいこうさんと奥泉さんが安部公房を大好きっぽい。私も感じていた、主人公の(安部公房の)真面目さ故のおかしみをものすごく面白く語ってくれるので、お腹がよじれる程笑ってしまいました。緻密で律儀で真面目じゃないとこういう小説は書けないって話をまさか高相@自称プロサーファーと絡めるなんて!ホントにおもしろかったーーー!安部作品またやってほしいなぁー。次は国木田独歩『武蔵野』だそう。読み込んでまた参加したいなぁ~。

毎年恒例のNHKアジアフィルムフェス。東京国際映画祭とかぶってとても地味な映画祭だけど、ほんとうに今年も良質な作品が目白押し。しかもゲストも来るのにチケット500円てのが素晴らしい!ヨルダンとかタジキスタンとか、珍しい国の映画はそれだけで興味が湧きます。映画を作るだけでもとても大変な国だというのに、どちらも素晴らしかったし。50年振りに作られたというヨルダンの『キャンプテンアブラーイド』は、こんなに深い、濃い内容だとは想像してなかったのでかなりうたれました。アブラーイドの「いいんだよ、大丈夫」ということばに号泣。ソ連崩壊後初(18年ぶり?)のタジキスタン映画『トゥルーヌーン』は、突然できたタジキスタンとウズベキスタンの国境に翻弄される話で、衝撃のラストに驚愕!あまりの救い様の無さにことばなし。だけど、こういうラストにすることでより深くリアルに感じて欲しいという監督の気持ちにまたことばなし。。。インドの『タハーン~ロバと少年』は所謂陽気なインド映画とは全然違く、こういう映画はインドほとんど作られないとのこと。でもとても素晴らしくて驚きました。大事な友達のロバのビールバルを借金のカタに取られてしまい、何とか取り返そうとするタハーン少年の潤んだ瞳にヤラれました。今年もちゃんと5作品観てプチプレゼントもらいました。欲をいえば韓国映画もやって欲しかったなぁー。いい映画祭でした。来年も楽しみ

フィンランド映画祭はアキカウリスマキ特集。1日2回で6作品の上映だったけど、結局3作観れました。一応全部観たことはあるんだけど、やっぱり何度観てもサイコーに面白い大好きな『浮き雲』、意外な展開の『マッチ工場の少女』、爆笑の『愛しのタチアナ』どれも何とも言えないおかしみに溢れていて、ほんとカティオゥティネンの素晴らしさを実感。あと『愛しのタチアナ』で作家になってしまった(この件がサイコー!)レノイ役のマッティペッロンパーが大好きなんだけど、『浮き雲』の主役の予定だった撮影直前に亡くなってしまったという話を思い出してちょっぴりしんみりしながら、でもやっぱり最高に面白い『愛しのタチアナ』を涙が出る程笑いながら観れて嬉しかったです。しかもお客さんの中から数名に当たるというフィンランドの「iittala」のすごいかわいいストライプのカップが当選してむちゃくちゃラッキー

『へんりっく』は三上博史目当て。最終日、立ち見が出る程の盛況振りでした。三上さんは、ユーロスペースでの寺山修司関連の三上さんと若松さんのトークショーと草迷宮のシーンが。かっこいいなぁー。緒川たまきさんもものすごく素敵。というか、偏陸さんと石川監督と瀬々監督がゲストで。偏陸さん、独特なオーラで、ものすごく優しそう。瀬々監督は男前っすねー。『悪魔のエレベーター』は大掘さん目当てで。やっぱり期待を裏切らないっすねー。館内でも大掘さんのシーンが一番ウケてた気がする。『REC2』怖いというより笑えます。

ライブはヒカシュー@渋谷クアトロ。ツアーだけど名古屋とはセットリストが違ってました。もうどう考えても素晴らしいバンドですね。もう観なくちゃいけないとこがいっぱい。三田超人さんの入場時のテンションから見ていいライブになるのはわかってたけど、良かったー。何が素晴らしいって、楽しすぎるんですよね。大人が真剣に音とふざけるって、こんな楽しいことなくね?ちなみにこの日の個人的ベスト曲は「デジタルなフランケン」かっこいー!フロアにいた近田晴夫氏のおかげで客席が明るくなっても続く3回目のアンコールにも答えてくれたし、オ-ラ出まくりの内田裕也さんカッコよすぎだし、素でテンションの高い篠原ともえ嬢のヒカシュ-好きを目の当たりにし何だか嬉しー。憧れの某女優を生で見れたのもあって(夫婦でいらしてました)ミーハー心も大満足。てかヒカシュー毎日観たいわ。

2日連続で観たお芝居は、お友達のお誘いで。気になってた作品だったので観れてラッキーでした。どちらも初日だったので3時間位の長丁場でした。これからどんどん精査されていくのかもしれないなーと思いつつ、宮本輝「錦繍」は大好きな作品なのでどういう感じになるかと思ったら、小島聖さんが素晴らしい存在感で、藤原道山氏の尺八演奏に心あらわれながら、ひたすら感心していました。女優って俳優ってスゲー。3時間なのに全然飽きることなく入り込みました。重松清さん原作の「定年ゴジラ」は、正直そんなに期待してなかったのにものすごく面白くて、ずっと笑ってました。特に前半が良くて良くて。海外の映画とかだと、おじいさん位の年齢の人が主役のものってわりと楽しく観れるんだけど、日本の映画は若いアイドル的な俳優ばかりでそういう年齢位のコメディ映画自体がないのは何故だろう、きっと面白いのにーって思ってたんだけど(犬堂監督の「死に花」みたいな)、ちょうどそういう感じ。お婆さんじゃなくてお爺さんがやっぱり面白いですねー。後半はこれからもっと短くなってくんじゃないかなーて気がしました。

白石さんの新刊が出た-

music*SQUEEZE"SINGLES"