旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

エスカロップ紀行 夕張→苫小牧

2004-06-23 09:38:00 | ドライブ

JR北海道石勝線夕張駅とホテルの一部分 (夕張市)

平成15年6月24日火曜日。昨日、根室で20リットル給油したが、燃料計の警告ランプが点灯している。夕張市内の給油所で10リットル給油する。ホクレンSSを捜している場合ではない。僅かの給油で汚れたフロントガラスを拭いてもらっている。申し訳ない。でも苫小牧の方がガソリンが安かったので、必要以上に給油しない。目の前に石勝線の跨道橋が見える。道央と道東を結ぶ道路(R38)に短絡線(R274)があるように、鉄道にも根室本線の短絡線として石勝線がある。千歳線の南千歳から室蘭本線の追分を経て新狩勝トンネル内の信号所で根室本線に合流する。この石勝線に新夕張から分岐する枝線がある。もともと夕張の炭鉱から追分を経て室蘭本線の室蘭へ石炭を運んだ旧夕張線だが、今は石勝線の一部となり列車本数も少ない。石勝線の新夕張-夕張間は現在JR北海道の営業路線で私が唯一乗車したことの無い区間である。これに乗ればJR北海道全線完全乗車達成!となる。適当に新夕張駅を捜すが、どこかの畑の中の道に入ってしまい、行き止まりとなった。仕方なく向きを変える。コンと音がする。嫌な予感がする。新夕張駅を見つけて車を止める。車の後を見ると汚れている。水で洗ってみると、僅かにへこんでいる。大した事は無いが、これはレンタカーである。気が重くなる。

駅に入って列車の時間を確認する。2時間以上も発車は無い。この後の予定を考えると次の列車には乗れない。車でやってきて最後の区間に乗ろうとしたのが悪かったのか。列車に乗るのはまた次回として、車で夕張駅まで行ってみようと思う。R452はほぼ鉄道に沿っている。途中で上り列車を見る。どこかで待ち構えて写真を撮るべきだったが、車をぶつけたショックでそこまで気がまわらない。途中に腕木式信号機もある。今思えば、撮影すれば良かったのだが、やはりショックで気がまわらない。やがて夕張駅。今年2月に亡くなった宮脇俊三先生の言葉を借りると『栄光ある夕張駅が「スキーホテル前」になり下がった感は否めない』。小奇麗な建物だが、隣の大きなホテルと対比すれば哀れという気がする。ここが私のJR北海道完全乗車達成の駅となるのだが・・・。

ここは平成2年(1990)移転の新駅である。明治25年(1892)開設の栄光ある夕張駅を見に行こう。夕張駅は2度の移転をしている。その度に鉄路は短縮されてきた。廃線跡を右に見ながら進む。そして山の中の町に広大な敷地が現れた。旧国鉄石勝線(旧夕張線)旧夕張駅である。ここから石炭を満載した貨物列車が出発していったのであろう。栄枯盛衰。

夕張からは道道3号線札幌夕張線が伸びている。新しいトンネル工事が行われているのを見て夕張を後にする。トンネルの先にも新道の工事が行われている。新夕張、追分、千歳を経て札幌へ向かう鉄道より距離が各段に短い。札幌-夕張間はこの道道経由のバスに軍配が上がるのも当然だろう。R234に合流し、苫小牧方面へ。今回の旅行では札幌へ行っていない。私は北海道好きだと自認しているが、札幌好きでもあるのだ。「好きです。sapporo」のステッカーを貼っていた時もある。ここから札幌までは僅かである。しかし札幌に行けば随分と時間がかかるだろう。しかもビールは飲めないのである。後ろ髪(無いけど)引かれる想いである。

R234は室蘭本線に沿っている。ここも石炭を運んだ路線だ。何せ複線である(一部、単線にされた)。列車は僅かにしか走っていない。室蘭本線も長万部-東室蘭-沼ノ端間は道南と道央を結ぶメインルートで特急や貨物列車が頻繁に走り、寝台特急の「北斗星」(上野-札幌)、「カシオペア」(上野-札幌)、「トワイライトエクスプレス」(大阪-札幌)といった豪華列車も走っているのに。室蘭-沼ノ端間は電化もされている。しかしこの辺の室蘭本線(沼ノ端-岩見沢)は本線とは名ばかりで取り残されてしまった感がある。

2日前に通った沼ノ端ICまで戻ってきた。船の時間までは少し早いので新日本海フェリーのターミナルのある苫小牧東港まで行ってみる。日高自動車道の側道をわざと走る。速度取締りをされてはたまらないが、かなりの速度で走れる。高速と一般道とで所要時間にいくらも差は無いだろう。それにしても苫小牧東港は遠い。失敗した苫小牧東部大規模工業地域(苫東)がらみだろう。新日本海フェリーとしては苫小牧東港の利用で、小樽港よりも所要時間を短縮できるのだそうだが、小樽なら港から街まで歩けるが、苫小牧東港では徒歩の客は船会社の用意する連絡バス(苫小牧駅まで700円)を利用するしかない。

港には関西ナンバーが目立つ。新日本海フェリーは大阪の会社である。今年の正月に思わぬ事故があったが、船の定員が多いので船内の設備が充実している。舞鶴、敦賀、新潟そして秋田から北海道へ航路があるので一度利用してみると良いだろう。苫小牧港に戻るべくICに向かう。国道からICへの交差点で続々と車が高速へと入って行く。無料だからだろう。1台のトラックがそのまま国道を行く。信号待ちをしていた私も高速へ入っていく。何も無い料金所予定地を過ぎて本線へ。ほとんど往復2車線である。苫東中央IC付近は往復4車線で追い越し車線がある。無料区間が終わり高速を降りる手前で、先ほど国道を直進したトラックを側道に見つけた。

市内の給油所で満タン(37リットル)にする。3日間で1,190km走行、給油したのは67リットル、1リットルあたり17.76kmという事になる。ガソリン代は7,015円、レンタカーが13,500円なので、道内の交通費は20,515円であった。駐車料金(ホテル500円、フィッシャーマンズワーフムー100円)も安く済んだが、反則金(15,000円)は痛すぎる。
(つづく)