旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

エスカロップ紀行 根室→帯広

2004-06-18 21:04:00 | ドライブ

風蓮湖のタンチョウ(根室市)

平成15年6月23日月曜日。まだ根室ですべきことがある。「エスカロップ」を食べる事。それは国道沿いの道の駅「スワン44ねむろ」で食べられるらしい。駐車場に車をとめ店内に入る。一面がガラス張りで隣接する風蓮湖が一望できる造りとなっている。眺めの良さに感心しながら、当然のように湖側の席につく。「エスカロップ」と「コーラ」を注文。「コーラ」を運んできた女性の店員さんが、「お客様、丹頂鶴のつがいですよ」と教えてくれ、席まで双眼鏡を持ってきてくれる。野鳥にあまり興味は無かったが、折角なので双眼鏡を覗くと確かに二羽の鶴が見える。6月に丹頂鶴が見られるとは。渡り鳥だと思っていた。

「エスカロップ」は思ったとおりの味だったが、それより望遠鏡を覗くのに忙しい。本当に鳥が好きなんだろうなと思わせる店員さんのおかげで、すばらしい道東の思い出ができた。支払いをすませレシートの店名をみる。"RESTAURANT Bird Pal"

これで根室でのすべての用が済んだが、今日は帯広まで帰っておきたい。根室から帯広まで200km以上ある。今夜の宿は決めてない。すでに午後3時をまわっている。早く帯広へ行きたかった。交通量は朝走ってきた道道の北太平洋シーサイドラインよりは多い。渋滞は無いが、前を遅い車が走ればイライラする。釧路が近づき片側一車線だった道路が二車線になった。勢い良く遅い車を抜いていった。しかし勢いがつきすぎた。道路脇にパトカーが見えたが気づくのが遅かった。停止を命ぜられ23キロの速度超過ということになった。反則金15,000円。腹は立たなかった。只々、ガックリきただけ。思い出したくないので、この件はこれで終わりにする。

釧路から帯広の道の交通量は極めて少なく、遅い車がいてイライラする事も無い。そんなもんである。日も暮れてきた。暗くなる前に帯広に着きたかったが、それでも午後7時半には帯広駅前の地下駐車場にいた。イライラ走る事は無かった。

駅に宿泊案内所も見つからなかったが、予め何軒か宿を書き出してきている。昨夜の釧路のような宿は嫌である。よさそうな宿を探す。昨夜もよさそうだと思って選んだのだから難しい。駅前ではないがメモしてきた宿があった。車なのでそれはかまわない。電話するとシングルに空室があった。即決。行くと駐車場は地上で、昨夜の宿のような入れにくいところではない。フロントも複数いて、ロビーには他の宿泊客もおり、宴会場もある中規模のホテルだった。駐車料金は無料。一泊朝食付きにしてもらう。料金も前払いではない。部屋も快適そうである。まあ、これが普通で昨夜の宿がひどかっただけである。

宿が良かったので少し気分が良くなってきた。昼食が午後3時だったので空腹ではないが、酒は飲みたい。行きたい店はあった。初めて帯広で食事をした店である。屋号は覚えていない。宿を出て歩いて駅前へ。フロント氏は駅まで10分と言っていたが、そんなに近くは無いだろう。

札幌では大通が東西に走り、北に行くにつれて北1条、北2条となる。南も同じ。東西は創生川を境に西側は西1丁目、西2丁目となる。東も同じ。これを組み合わせて北5条西2丁目といった表記がされる。東西南北と数字を覚えていれば道に迷う事は無い。今夜の宿「ホテル若松」は大通に面している。帯広では大通が南北に走り、創生川にあたるのが国道38号線だろう。西2条南12丁目と、東西と南北の関係が逆になるようだ。宿の住所、大通南5丁目だけ覚えておけば迷わずに帰れる。

午後8時過ぎだというのに、あまり活気の無い街を歩く。見覚えのある店があった。10年以上も前に来た事のあるこの店は「ふじもり」(帯広市西2条南11丁目8)。食堂では席についたら水を出すのが普通だが、この店ではメロンソーダを出したので印象に残っていたのだ。その後にも前にも水の代わりにメロンソーダを出したのはこの店だけである。店内に入る。店員が水の入ったコップを盆に載せている。メロンソーダのサービスは無くなってしまったのか。席について水が運ばれた後、よろしかったらとメロンソーダも持ってきた。懐かしさと嬉しさとでメロンソーダを飲む。小さなコップ一杯のメロンソーダだが、再会に感謝する。

さて帯広といえば豚丼なのだそうだ。3年前に豚丼の有名店「ぱんちょう」(帯広市西1条南11丁目)で食べた事がある。七月下旬だったが大変混んでいて、行列待ちして入った覚えがある。まあ美味しいのだが、1回食べたからもういいか、という感じである。観光客ばかりで混んでいてくつろげなかったせいもある。「ふじもり」にも豚丼(880円)があったので生ビールと一緒に注文する。他の階は知らないが、まわりには観光客はおらず空いている。高校生くらいの女の子のグループがスパゲッティの類を注文している。地元の客ばかりのようだ。くつろいで飲む生ビールはうまい。豚丼も「ぱんちょう」より「ふじもり」の方が好みの味かもしれない。安いし。また来ようと思い、店を出て宿までの道を歩いた。 (つづく)