旅日記

旅の記録と紀行文を紹介する事でしょう。
写真は私が撮影したものを使用しています。

続台湾日記 屏東

2007-02-12 11:00:56 | 台湾日記

飛馬大飯店 (台灣省屏東縣屏東市)

屏東の改札を出る。そして翌々日に乗る列車の切符を購入する。駅の一角には案内所がある。今夜泊まるつもりのホテルの候補はあるのだが、案内所で聞いてみることにした。南方の顔立ちの若い女性が座っている。私が日本人と判ると、片言の日本語で話し始めた。何か嬉しそうである。今夜の宿を紹介して欲しいだけなのに、彼女の友人(日本語が話せる)に電話をして通訳してもらったり、ホテルの日本語の話せるスタッフが今いないとか、ややこしい話になってきた。日本語は関係ないのであって、今夜の宿の予約をしたいだけである。結局、駅前のホテルに直接行って空室を確かめることになったので、この案内所は何も役立っていない。しかし案内所の女性は友好的で、「私たちは友達ですよね」と握手を求めてくるし、何故かサインもした。フルネームで書いてしまった事を後悔した。それにしてもようわからん。

駅舎を出て、すぐにホテルはあった。ガイドブックにも載っており、ここなら案内所に訊くまでも無い。フロント氏は日本語は通じないが、部屋はあるか、いくらかというだけなので、全く問題は無い。朝食付きで1,000元というので2泊分の2,000元を支払い、鍵をもらってエレベーターで部屋に向かった。ドアを開けて中に入る。なかなかユニークな造りの寝台が置いてある。2泊はしたくはない。フロントに降りて、先ほど購入してきた列車の切符を見せて、明日は台南に行く予定だった、間違えたという事にして、1泊に変更、1,000元を戻してもらう。駅から少し離れているが、予定していたホテルに直接行ってもよかったか。

とりあえず、晩飯を食べに出る。担仔麵の看板に惹かれて、店先で注文し、店内に入る。台湾ビールも注文する。はじめて見る台湾の瓶ビール。600ml入りで50元である。日本の大瓶より33ml少ないが、ひとり麵を啜りながら飲むには多い。担仔麵(大)が運ばれてくる。こちらは40元。安いのでビールのあてにもう一品何か頼んでもいいが止めておく。食べていると何やら気持ち悪くなってくる。韮のように入っている葉っぱが原因である。香菜か。箸が止まりそうになるが、葉っぱを除けながら麵は食べきった。宮脇先生が葉っぱを除けつつ食べたのも担仔麵だったのか。勿体無いので、丼の底の肉そぼろを蓮華ですくって食べてみると旨い。葉っぱ抜きで注文するとよい様だ。片言の日本語で店員に見送られ店を出る。


夜の屏東 (台灣省屏東縣屏東市)
いずれも民國95年11月25日撮影

ホテルの部屋に戻る。浴室もユニークな造りである。汗を流し、さっぱりとして寝台に寝転び、テレビを見る。くだらないバラエティー番組をやっている。くだらないのでついつい見てしまう。一人の女性タレントが、日本語で「かわいい」とか「かっこいい」とか、完璧な発音で時々話す。日本人かとも思うがよく判らない。明日の朝は早いのに夜更かしをしてしまった。バラエティー番組が終わったので、寝ることにした。うとうとしていると電話が掛かった。受話器を取ると女性の声。英語で、私は中国語が話せません、と言って電話を切って寝た。 (つづく)

続台湾日記 莒光號

2007-02-11 19:00:43 | 台湾日記

鐡路便當(60元) 莒(草冠に呂)光號の車内販売

樹林停車中に年配のご婦人が乗ってきた。通路を歩いているところへ、「アーマー…」と乗客が口々に何か呼び掛けている。中国語は解らないが、状況からして、ご婦人に空席があるからそこに掛けるよう言っているに違いない。ちなみに空席は私の隣、窓側の席である。私の隣に座ったこのご婦人は自願無座(立席)の客であろう。終点までご婦人の席の切符を持った客は現れなかったから、この席は空席だったのだ。昨日、台北で切符を買った時に、何故窓側の席を売ってくれなかったのか。車窓を楽しむため(だけ)に台湾に来ているのに。

莒光號 35次は樹林を12時40分発。暫くして車内販売のワゴンを押した服務小姐が現れたので、さっそく便當(弁当)を買う。二つくれようとするが、隣のご夫人は連れではない。一つだよと言って買う。60元。ワゴンにはやはり酒類は見当たらない。駅で買っておいたビール飲み、便當を食う。盛り付けは大雑把だが旨い。ところで莒光號の座席にテーブルは付いていない。弁当箱を置く事が出来ないので大いに困る。テーブルはないのに、フットレストはあるので、テーブル代わりに使う。小さくて傾斜があり不安定なところで、弁当箱を置いたり、ビールを持ったりしているうちに、箸を床に落としてしまう。代わりの箸は無いので、ちり紙で拭いて使う。食事を終え、静岡玉露を飲む。台湾のお茶には砂糖入りの物があるが、これは無糖である。食事を終えて手洗いに立つ。手洗所は日本の国鉄を思わせる。途中でデッキを通るが、扉は手動なので開け放たれたままである。ガラスを通さない風景が流れてゆく。旧型客車を思い出す。

列車は決してガラガラにはならず、通路に立つ人も出てきた。足の悪い老人が、頻繁に手洗に立っていたが、ちょうど席を立っている時に駅に到着して、乗ってきた客が老人の席に座ってしまった。そして老人が帰ってきた。どうなるかと見ていると、老人が自分の席に座った客に猛烈に文句を言い始めた。結局、老人は席に戻ることが出来た。南国とはいえ、11月で日没は早い。車内の様子を見て過ごすしか用は無い。


莒光號 35次 (屏東)

何かの拍子に、隣のご婦人が話し掛けてきた。私は中国語は話せません、と英語で言うしかない。約6時間も隣に座っていて、外国人とは気付かれなかったのだ。車両基地なのか700T型列車が沢山留まっているのが見える。そして高鐵の左營站。高雄側の終着駅である。隣接する台鐡線には新左營站が建設されている。まだ開業していないので、莒光號は通過して、左營に停車した。判りづらいが、(高鐵)左營站と(台鐡)新左營站が乗換駅で、(台鐡)左營站は高雄方の次の駅である。例えると新幹線新大阪駅が(JR東海)大阪駅、在来線新大阪駅が(JR西日本)新大阪駅となる。神戸方の次の駅が(JR西日本)大阪駅という具合だ。愛河を渡って、19時に高雄に到着した。車内はようやく空いてきた。隣のご婦人も下車した。この先の屏東線は初めて乗る区間だが、車窓は闇の中である。窓側の席が空いても仕方が無い。板橋から約7時間掛けて、19時24分に終着の屏東に到着した。老人もここで降りた。 (つづく)


台鐡 屏東線 屏東車站 (台灣省屏東縣屏東市)
いずれも民國95年11月25日撮影

続台湾日記 板橋

2007-02-07 11:00:32 | 台湾日記

高鐵 台北車站 (台北市中正區)

北投から淡水線で台北車站へ向かう。切符は30元。駅の人が何か配っている。後になって貰った物をよく見ると、エスカレーターではベルトを握りましょうという、キャンペーンの物だった。貰った直後にエスカレーターを使ったが、ベルトは握らなかった。配っていた人は、どう見ていただろうか。10時42分に北投を出発、11時02分に台北車站に着いた。

駅構内をうろつく。高鐵の改札口や待合室(場所?)を見る。駅は出来上がっているようだが、高鐵の列車が初めて試運転で台北に入ったのは10月という。台鐡の月台(プラットフォーム)に入ると、並行して高鐵の月台が見えたが、車両の姿はなかった。縱貫線の區間車2111次に乗る。停車位置から離れた場所にいたので、入線していたのに気がつかなかった。駆け込み乗車して、台北11時14分発。最後部の車両は女性専用だったので、前方の車両へ移動する。台鐡では日本の鉄道を参考に女性専用車両を導入したが、評判は良くないという。地下区間を走って、11時23分に板橋に到着した。運賃は18元。


台鐡 縱貫線 板橋車站 (台灣省台北縣板橋市)

板橋は台北の次の高鐵の駅である。台北-板橋間の工事が遅れていた為、板橋以南が先行開業するという。東北新幹線の大宮を思い出すが、先ほど見てきたように、台北の駅はすでに出来上がっているから、板橋開業と台北開業はそれほど間を置かないと思われる。板橋は大きな駅で、同名の赤羽線の駅とは比べようもない。運転本数は赤羽線の方が多そうだが。


高鐵 板橋車站 (台灣省台北縣板橋市)

駅構内をうろつく。ぱっと見、開業してそうだが、自動券売機の前には柵が置いてある。窓口には係員がいるが、前売りくらいはしているのだろうか。時刻表を所望するが、無いとの事。駅の見学なのか、ヘルメットを被った小学生くらいの子供の一団がいる。これでは開業はまだだ。

この後乗る列車の発車まで時間がある。公衆電話で帰りの航空機の便のリコンファームを試みるが、まだ自動音声が受付時間の終了を知らせるだけである。土日は休みのようだ。さて午飯に便當(弁当)でもと思う。大きな駅なので、あちこちで駅弁を売っている。でも昨年食べた車内販売の鐡路便當が食べたい。便當は車内で買うとして、ビールは車内では売っていなかったから、前もって買う必要がある。駅構内のコンビニエンスストアに入ってみる。品揃えは日本と同様である。缶の台湾ビールの他、静岡玉露のペットボトル、車内販売が無かった時に備え、鱈の乾き物に、森永ミルクキャラメルを買う。全て台湾産で、キャラメルも台灣森永製菓が製造している。ビールとキャラメルを除いて、商品には日本語の説明書きがある。買わなかったが、商品名に北海道を冠したパン、乳製品が多く見られる。


台鐡 縱貫線 板橋車站 (台灣省台北縣板橋市)
いずれも民國95年11月25日撮影

買い物は済んだので、改札を入る。高鐵と台鐡の改札が並んでいる。乗してくれんかのう。台鐡の月台からは高鐵の月台は見えなかった。海線経由の松山発屏東行、莒(草冠に呂)光號 35次に乗車する。指定された席に行くと、なんと通路側。昨日、切符を買う時、窓口に渡した紙に「窗側」と書いておいたのに。希望する列車が軒並み満席だったせいか。車窓を見れずして、何の為に台湾に来たのか。時すでに遅し。大人しく通路側の席に座る。板橋12時26分発。地下区間が終わり、地上に出る。高鐵も地上に出て、併走するが、やがて右へと分かれてゆく。次の駅、樹林に到着。早速だが、後続の自強號 1019次の通過待ちである。 (つづく)