t-catの徒然寄稿

興の赴くままの煩悩炸裂日記です。買い物(散財)やら、最近のハマリ物公開中。猫(ラグドール)と暮らして18年が過ぎました。

愛と死の輪舞を聞けただけで満足…

2012-05-25 21:00:31 | 興の広場


昨日の興奮冷めやらぬt-cat、
今夜は眠れないわ! となるかと思いきや、
ぐっすり熟睡してました。


さて、昨日は、
帝国劇場で東宝ミュージカル「エリザベート」を観劇しました。

エリザベートは何度見てるんだよ、と言いたくなるくらい
ほぼ毎回の演目をチェックし、
本国版も見ておりますので
かなりうるさいです。

今回、配役は新旧交代が見られ、
エリザベートは瀬名さんと春野さんのダブルキャスト、
どちらも元宝塚のトップスターであり、
春野さんは現役の頃は知りませんが、
歌唱力で定評がありますので
大変楽しみにしていました。

また、マテ・カマラスさんは
本国版を大阪・東京でリピした当方、
期待しつつ、実は心配でもあったんです。

ウィーン版はドイツ語です。
東宝版は日本語です。

マテさん、どっちの言葉で歌うんだろう。
一人ドイツ語で字幕が出るのかな、
そりゃ、ハンパない歌唱力のマテさん、
絶対ドイツ語で聞きたい。
けど、日本語の中で一人ドイツ語だと
コメディになってしまう。
勝手わからない、初めて見る人には
なんじゃこりゃ、となりかねない。

じゃ、やっぱり日本語ーーー???

不安を感じつつ開幕を待ち、
第一声を聞いて、心配はまったくの杞憂であったことに
気付かされたわけです。

いやー、感服しました、
完璧な日本語で、
ヘタな日本人歌手が歌うより完璧なイントネーションで
しかもマテさんならではの歌唱力が生きるがなり方で
大熱唱されていたのです、
もう、度肝を抜かれました。

また、愛と死の輪舞は、宝塚・東宝版のみの歌と聞いてます、
本国版ではないのですが、
旋律と歌詞が良いので、
一度ドイツ語バージョンで聞いてみたいな、と思っていたんです、
さすがに日本語での歌唱となりましたが、
マテさんの歌は、もう、腰砕けになりそう。

歌も、東宝版の各キャストの歌を
ほんとーに研究しつくしていますね、
なんとなくですが、内野さんのトートの雰囲気に
似てるかなあ? と思ったりもしたんですが、
もちろん、マテさんの方が数倍も完成されてました。

そして、これは日本と西欧の文化の差としか言い様がありませんけど、
細かいマイムや動きの作法が明らかに日本人のそれとは違います。
日本の舞台演劇のオーバーアクションには辟易していましたので
自然なマイムで、大袈裟でない何気ない仕草で
心の動きまで表現できる懐の深さには
明らかにあちらの人と私達では
違う血が流れているのだと思わざるを得ませんでした、
もちろん、マテさんの動きの方が私は好み。

私は、黄泉の帝王がシシィに一目惚れした瞬間は、
恋した少年のような初々しさを感じました、
全編にラブラブ全開なところが良かったですねえ、
そんなに好きなのかー、と。

他のトートでは、この、「恋心」は
あまり…感じなかったのね、
執着はあるんだけど、
そんなにこだわるような理由づけが
あまり見られなかったんでねえ…

内野さんや山口さん、武田さんに石丸さんと
いろんなトートを見てきましたけど、
東宝ミュージカル版に限れば
私はマテさんのトートが最終形に近いように感じます。

マテさんは、東宝版が終わった後に
なんとウィーン版の日本上映が控えています。

まったく違う解釈のトートが短期間で観れる。
特に関西の方は日にちを空けないで
即ウィーン版が観られますので、
可能であればご覧いただきたい、大阪の人!
まったく別物のキャラクターが観れる機会は貴重です。

春野さんのエリザベートも、よかったですね、
私的には一路さんより春野さんの方が
イメージに大変近い。
可憐で可愛く、声は澄んで高く、
すらりと美しくて星のティアラが似合う、シシィ。
高いキーの音域でも安心して聞ける、
どの歌も素晴らしかった。
ただ、晩年以降の深みのある演技は…
うーん、ちょっと若いかな、と思ったね、
けど、彼女の声と歌が、
しわがれた声だと生きないとも思えますので、
あれはあれでいいでしょう。
二隻のボートの解釈も、とても好き。

けど、ここは一路さんの方が枯れ方は数倍上かもしれないなあ…

フランツの岡田さんも、マックスの岩井さんも
どちらも初見でした、
お二人とも歌が上手い!

今回のカンパニーはとにかく、歌のうまさが際立っています。
舞台美術も重厚で色は渋め、
軽さがどこにもなくて個人的には好きです。

そして、細かい演出に変化が見られ、
全般に深みが増した緊張感溢れる舞台となっていました。

ここが一番良かったなと思うところで、
過去に何度か観劇したエリザベートは、
役者がある程度予定調和で動き、
観客もそれを甘受してきて、
なあなあで演じられてきたところがあったように思うのです。
その甘さが、みじんも感じられない。
他の役者さんも自分の役を改めて構築しなおして
かつて演じている役を演じ直しているようでした。

脚本もセットも原則として変化はないけれど、
背骨が数倍も固く強くなり土台が固まっているように感じるのは
多分ですけど、昨日の場合は特に
外からの血であるマテ・カマラスさんの存在が
絶対好影響を与えていると思えるのです。

そして、今回は他のキャストはチケットを取れていないので
比較ができないのが残念なんですが、
他のトート役の二人の男優にも
多大な影響をもたらしていると思われるので
全般にレベルが高い演目になってるのではないでしょうか。

久方ぶりに払ったチケット代が惜しくない、
早く終わらないかな、電車気になるんだけど、と
いらいらしながらカーテンコールを待たずに済んだ
すばらしい舞台でした。

今回のエリザベートはあと1回、
今度はマテさんと瀬名さんで観劇します。

つか、チケットが、やっぱりというか
山口さんと石丸さんは取りにくくて、
マテさんはわりと取りやすかったので
行きがかり上こうなってしまったんですが、
もしチケットに余力があるなら、
マテさんのトートは見ないと絶対損です!

唯一難点はといえば、
歌はいいんだけど、
ところどころ挟み込まれる普通のセリフが、

結婚式場にいるあやしい外国人神父さんみたいに

カタカナ語で聞こえてしまう、

ってところでしょうかねえ。

ここはちょっと残念でした…

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